大塚家具、メーンバンクに見捨てられ年内がヤマ? 久美子社長はそれでも余裕

ビジネス 企業・業界

  • ブックマーク

Advertisement

100年後には

 7月29日、久美子氏は早朝の経済情報番組「Newsモーニングサテライト」(テレビ東京)の“トップの勝負メシ”コーナーに出演している。本社近くのイタリアンレストランを紹介し、ここが業務提携した中国企業・イージーホーム社長と食事をした所なのだと言っていた。前菜に“マンゴーとフォアグラ 自家燻製鴨肉のグルメサラダ”などをいただきつつ、彼女はこれまでの赤字経営について語った。

久美子氏:たしかに3期連続(赤字)というのは大きい話ではあります。ですけれども、会社を100年続けていく時に、「100年の中の3年でしょ」と100年後には当然思うわけですよね。少し引いてみて、こういう大変な時を乗り切ることができて、会社も強くなる!

 大塚家具は今年創業50年である。100年後とか言っている猶予はないはず……。

「私も番組を見ていましたが、一体何を言っているんだろうと複雑な気持ちになりました。あのシーンに彼女の性格が凝縮されているように思いました。すべてが現実に根ざしていないんです。現在の客離れの原因は、自身がセールを連発したために、次のセールまで買い控えが起きているだけなのに、いまだに『4年前のお家騒動で事実でないことまでメディアに報じられたせいだ』と言っていますからね。自分の失策による結果なのですが、メディアのせいにしたり、従業員のせいにしたりしてきたわけです。その結果、彼女が社長に復帰するに当たり協力した企業や、その後資金協力した企業も、彼女の元を櫛の歯が欠けるように去っています。今回の三井住友もそうですが、大塚株を保有しているTKPとも疎遠になっていることが報じられています。米国の投資ファンドのブランデス・インベストメント・パートナーズも保有していた全株式(6・41%)を売却。今年2月に、およそ20億円の出資をしたと報じられたイーストモア・グローバル・リミテッドも、引き受けた直後に売り始めています。中国でネット通販を手がけるハイラインズは、日中企業による匿名組合で資金を集めるとブチ上げましたが、結局、中国企業はほとんど入ってこなかったと言われています。みんなが、もう付き合いきれないという感じになっているようですね」(同)

 それでも久美子社長は希望に燃えているのか、8月9日の決算発表後の記者会見で、中国のEC事業についてこう宣言したという。

久美子氏:(売上高が)来年に50億円、2年目は100億円も夢ではない!

「大塚家具が出品している越境ECサイト“天猫国際(Tmall Global)”をご覧になったことがありますか。家具はほとんどなく、枕やクッション、枕カバーなどばかり。それも購入者はほとんど出ていません。中国だって、プラットホームに載せれば勝手に売れていくわけではない。マーケティングをしなれば無理です。夢を見るのは結構ですが、もっと目の前の現実を見たほうがいいでしょう」(同)

週刊新潮WEB取材班

週刊新潮 2019年9月30日掲載

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。