ヤクルト新監督に「高津臣吾」確実 「古田GM」という怪情報が流れる背景

スポーツ 野球 2019年9月28日掲載

  • ブックマーク

 ヤクルトスワローズのファンはその期待を大きく裏切られた。

 昨シーズンは2位に躍進して、開幕前は希望を抱かせるのに十二分だった。打線では、トリプルスリーの常連である山田哲人、メジャー帰りの青木宣親、そして強打を誇るバレンティン……。球界屈指の破壊力に加えて、広島から石井琢朗、河田雄祐という2人の名コーチが加入し、得点力もアップしていた。投手陣をみると、先発では石川雅規、小川泰弘が健在であり、ブルペンには五十嵐亮太が復帰。その名前だけを見れば、決して他球団に引けを取らなかった。

「今年こそ優勝、日本一」と大きく期待された今シーズンだったが、現実は甘くなかった。ふたを開ければ、惨憺たる成績でダントツの最下位に沈んでいる。

「チーム内の雰囲気が最悪でバラバラです。負けが込んできて小川淳司監督は常に下を向いている様子でした。ミスが出ると、宮本慎也ヘッドコーチが叱責するが、それに対して不貞腐れている選手もいた。明るい話題は、高卒2年目で大砲として覚醒した村上宗隆ぐらい。ベテランの大引啓次は、出番を求めて退団する意向を示し、バレンティンはFAでの移籍も確実視されている。このオフは明るい話題がまったくない」(ヤクルト担当記者)

 ここ数年は球団の営業努力が実り、ファンが増えていた本拠地・神宮球場だが、秋風とともに、かつてのような空席が目立つようになってきた。これほど酷い状態になれば、監督交代という“ショック療法”も必要だったようだ。ヤクルトは9月10日に小川監督と宮本ヘッドコーチが今季限りで退団すると発表。次期監督には、高津臣吾・2軍監督の就任が確実視されている。

 高津氏はシンカーを決め球に、NPB歴代2位の通算286セーブを記録したヤクルトの伝説的なクローザーだ。その後、ホワイトソックスやメッツなどで活躍して、韓国、台湾のプロ野球や独立リーグ・新潟などさまざまなリーグを渡り歩いた。引退後、14年にヤクルトの一軍投手コーチへ就任。投手陣を立て直して、翌年には真中満監督のもとでセ・リーグ優勝に貢献した。さらに、17年から二軍監督として若手選手の育成に尽力していた。

「高津さんは監督の器を持った人ですね。現役時代から球速がない自分が生き残るため、いろいろ考えていた。すごく努力をされていたし、海外での素晴らしい経験もプラスになっている。さまざまな苦労をしたせいか、若手や伸び悩んでいる選手に献身的に接している。さらに性格が明るいので周囲に人が寄ってきます」(ヤクルト球団関係者)

 しかし、ヤクルトのあるOBは「高津は監督に向いていないのではないか」と不安を口にする。

「小川監督の後任には、宮本が就任すると思っていた。そのために宮本をヘッドコーチとして招聘したはずだった。だが、自分の意見を強く主張するタイプである宮本と小川監督はチームの方針を巡り、ソリが合わなかったようだ。指導が厳しい宮本は、選手に煙たがられていたが、監督としては高津より宮本のほうが向いている。高津はいろんな人に気を遣う非常に優しい性格だから、厳しい判断を迫られる監督というタイプではない」

 高津新監督が確実視される一方、球団内部からこんな“怪情報”が浮上している。それは、高津氏とともに、90年代のヤクルト黄金期を支えた古田敦也氏のフロント入りである。前出のヤクルト担当記者は「古田氏がGMに就任するのではないかという憶測が出ている」としたうえで、こう話す。

「古田氏は06年から2年間監督をつとめたが、監督職は自分には向いてないと感じたようだ。これまで他球団から話があっても断ってきたのはそのせいだとみられる。また、古田氏は、最終的にはNPBのコミッショナー職に就いて、球界改革を行うという野望があるという。そのためには、監督という現場よりも、GMというマネージメント職の方がなにかと都合がいいと考えているのではないか」

 さらに、前出の記者が続ける。

「高津氏と古田氏は現役時代からずっとバッテリーを組み、公私にわたって仲がいい。07年、高津氏が一方的に戦力外通告を受けた際、最後まで球団に抗議したのが古田氏だった。当時のこともあって、高津氏をサポートして華を持たせたいという思いもあるのでは……」

 ただ、前出のヤクルトOBに聞くと、「古田と球団首脳は以前から関係がよくないので、さすがにフロント入りはないんじゃないかな。でも、それぐらいしないとチームは変わらないかもしれない」と苦笑いを浮かべていた。

 今年8月にはIT大手のミクシィによるヤクルト球団の買収計画が報じられるなど、何かと周囲は騒がしいが、チームを立て直して、燕は再び舞い上がることはできるだろうか。

週刊新潮WEB取材班