文在寅が「玉ねぎ男」を法相任命するしかなかった理由 識者が徹底解説

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韓国に「玉ねぎ爆弾」炸裂(2/2)

 娘の不正入学に、妻は私文書偽造で在宅起訴、本人ふくめた親族は不透明なファンド投資……むけどもむけども新たな疑惑が明るみに出る韓国の「たまねぎ男」は、反対の声をよそに法相に任命された。検察の捜査対象が検察改革を掲げるという状況に、尹錫悦(ユンソクヨル)検事総長以下、検察は“ガチンコ”でやりあう方針だという。なぜ文在寅大統領は、チョグク氏(54)を任命したのか。

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「検察が最初にガサ入れした時点で、文大統領が“チョグクを法相には任命しない”と宣言していれば、その後、チョグクをめぐる疑惑へのマスコミの取材攻勢もなかったでしょうに」

 とは龍谷大学の李相哲教授の感想。産経新聞の元ソウル支局長で、現社会部編集委員の加藤達也氏によれば、それでも文大統領がチョグク法相にこだわったのは、次のような理由からだという。

「一つには、ここで引き下がると、対保守という政治上の争いでの敗北を認めることになるからです。“革命”とか“正義の戦い”を遂行中の現政権としては、一度決めたことはなにが起きても変えられません。もう一つは、チョグクが文大統領が進める検察改革を担う人物だから。韓国の検察は強大な権力を持ち、時に政治にも介入します。捜査を利用して政権を終わらせたり、検挙したい人物がいる場合、反対勢力を利用したりもします。文大統領は2045年までの南北統一という目標を掲げており、実現には、それまで左派政権を維持しなければなりません。その際、検察は政権への抵抗勢力として非常に厄介なので、検察の政治的権力を奪うための改革を是が非でも進めたい。その改革を軌道に乗せる役割を任うのがチョグクだというわけです」

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