韓国に忖度しすぎ! U18「日の丸」自粛の高野連が本当にすべきこと

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球数制限が進まない理由

 そもそも高野連は、

「世間の声を極度に気にしている組織なんです」

 と解説するのは『甲子園という病』の著者で、スポーツジャーナリストの氏原英明氏である。

「高野連は2007年に特待生制度の禁止を徹底しようとしたことで、世間から一斉に批難を受けました。それまでは独善的に物事を決めてきましたが、この問題が分岐点となり、むしろ世間の声を恐れるようになったのです」

 にもかかわらず、時として“強権発動”するのがこの組織のおかしなところで、

「たとえば昨年12月、高知商業の野球部員が甲子園での応援のお礼にダンス同好会の発表会に出演した。このイベントが500円の入場料を取っていたことが問題になりました。高野連は、この発表会が日本学生野球憲章で禁止されている“野球部員の商業的利用”の可能性があるとして、野球部長の処分を検討したのです」(同)

 もっとも、この件は世論の批判を受けて、結局のところ処分なし。今回の「日の丸外し」と同じく前言撤回の迷走っぷりを世に晒すことになった。他方、

「速やかに議論を進めるべき球数制限の問題や、大会の日程見直しについては遅々として進んでいません」(同)

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏が指摘する。

「高野連は高校野球を教育の一環だと主張し続けていますが、実質的には違います。毎年7億~8億円近い収益を生み出し、甲子園はスター選手の品評会になっている。にもかかわらず“ビジネスをしてはいかん”と、ときに見せしめのように権力を振りかざす。言っていることと、やっていることが矛盾しているのではないでしょうか」

 日の丸「自粛」は過剰反応で即断。その一方で急務であるはずの球数制限問題などは放置する。どこまでいっても度し難い組織である。

週刊新潮 2019年9月12日号掲載

ワイド特集「新しいハザードマップ」より

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