阪神「鳥谷」のシーズン中“退団騒動”に見る魂胆

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 阪神の数少ない生え抜きスター、鳥谷敬内野手(38)が、球団幹部から“引退してくれないか”と言われた、と暴露し騒動となっている。実際、球団は来季の契約を行わない方針で、鳥谷は“引退”もしくは“他球団で現役続行”のいずれかの選択を迫られる。

 今季、代打要員の鳥谷は打率1割9分8厘で打点ゼロ(9月9日現在)。つまり戦力にはなっていない。

 とはいえ、なぜシーズン中の今、そんな話が沸き上がっているのだろうか。

「実はどの球団も来季の編成の準備を始めています」

 と大手紙デスクが語る。

「編成は大物から順に考えるので、いま阪神が年俸4億円の鳥谷の処遇を検討し、本人と話し合っているのは至極当然の流れ。ただ、その内容が外部に漏れたのは異例かもしれません」

 それにしても“引退勧告”と聞けば、ファンも心穏やかではなかろう。

「戦力にならなくても“精神的支柱”としてチームに貢献する大物もいますが、あいにく鳥谷はそういうキャラではありませんからね」

 球団が大減俸を提示し、それを選手が受忍するケースもあるが、

「生え抜きには言いづらいですし。ただ今回は、そもそも年俸の話になってません。というのも鳥谷は、試合に出たいだけなんです。今の阪神での起用法に不満があり、チームを変えれば自分はまだやれると思っている。だとしたら、なるべく早く自分がフリーであることを他球団にアピールしたいところ。そこで“暴露”に及んだわけです」

 早くも移籍先にはロッテの名が囁かれている。井口資仁監督と鳥谷はかねてより親交が深いのだとか。

 一方、阪神にとっても鳥谷の“暴露”は渡りに船のようで、

「優勝争いから遠ざかり、観客減が心配ですが、“縦縞の鳥谷は見納め”となれば歯止めが掛かります」

 なんだ、出来レースか。大喧嘩して、“立つ鳥谷跡を濁し”たら面白いのに。

週刊新潮 2019年9月12日号掲載

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