小泉進次郎は本当に「総理の器」か? 先輩代議士や政治部記者らが一刀両断

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パパに背中を押され…

 進次郎氏について留意したいのは、政策の継承についても同じである。

「今後、彼が総理を目指していく過程で、気を揉むことがあるんです」

 と言うのは、自民党のさる先輩代議士。

「それは原発についての考え方をどう打ち出していくか。何しろお父さんがあの通り、過激な反原発論者になってますからね……」

 整理しておくと、政府の現在のエネルギーについての考え方は、再生可能エネルギーの比率を高め、2030年までに電源構成比率にして22~24%にまで持っていくというもの。とは言え、今ある原発はそのまま稼働させ、ベース電源の一つとして維持する方針だ。

 が、と先の代議士は言う。

「進次郎君は、そうした政府の方針は踏襲する一方、別の場面では再稼働や核燃料サイクルについて否定的な発言も繰り返している。復興政務官の経験から福島との関係も深い。政府の方針と違うのではっきりとは言えないものの、本質的には『脱原発』の考え方を持っているのではないか、と」

 そのウラにあるのが、父・純一郎氏の影だ。元首相は引退後、東日本大震災をキッカケに「脱原発」に傾倒。「原発を即時ゼロにせよ」という過激な主張を繰り返し、「反原発」となれば野党候補でも応援演説を買って出ているのである。

「2人は『一卵性父子』と言われるほど、政治的な思想や考え方が似ています」

 と言うのは、ノンフィクションライターの常井(とこい)健一氏。確かに、息子の立ち居振る舞いは父そっくりであるのに加え、

「農林中金の廃止や、消費税の軽減税率の不要論など、これまで進次郎さんが物議を醸した発言には、お父さんの影響が感じられるものが多いのです」(同)

 その純一郎氏は「総理になれば原発だってすぐに止められる。郵政民営化より簡単だ」と発言していることもあって、息子が仮に首相にでもなれば、熱心に原発ゼロを売り込むのは自明の理。心から尊敬する「パパ」の話を受け、さて、どう判断するのだろうか……。

 もっとも、

「原発ゼロでも大騒ぎですが、即時ゼロなんて言ったらそもそも国のエネルギーが持つかどうか。大混乱は避けられません」(別の先輩自民党議員)

 というから“その時”はパパの郵政民営化の時よりも、ずっと大きな国論二分の騒動になりそうであるが。果たして、「私は国民に問いたい」と刺客を用意した「反原発解散」があるのか否か……。

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