【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(1) 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ

ライフ

  • ブックマーク

 内外の街や島を焼き、同胞約300万人以上の犠牲を生んだ日本の敗戦から、75年目の夏が訪れた。

 軍部が反対勢力を一掃して政治をわが物にし、国民の統制と総力戦へ舵を切る転機といわれるのが、1936(昭和11)年に起きた「二・二六事件」。天皇に弓引いた叛乱と陸軍から宣伝され、戦後はファシズムの時代の先兵と目された青年将校らの素顔も、蹶起と刑死の真実も、いまは歴史と忘却のかなたにある。

 その当時を知る生き証人だった遺族の女性が先月、104歳で他界した。

...

記事全文を読む

Advertisement

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。