吉本・大崎会長が明かす闇営業の核心 今回の件は「無念」、自身も“反社の営業”を経験

芸能週刊新潮 2019年7月25日号初出/2019年8月14日掲載

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ホットラインが機能せず

 6月上旬の問題発覚直後から芸人たちへのヒアリングを毎日重ねたのですが、数年前の話だったこともあってなかなか事実を把握できませんでした。それでも毎日続けた結果、概要が分かったので、お話しさせていただくことにしたのです。

 処分を下した芸人たちはいまも、毎日、法務担当の社員やマネージャーがヒアリングをしています。ときにはグループで、あるいは一人になって考えさせ、次の日に文書を出させることもある。宮迫(「雨上がり決死隊」宮迫博之)も「スリムクラブ」も、これを繰り返しています。会社と処分された芸人とで、今後なにをすべきかを話し合っている段階です。ボランティアなのか、なにかモノを作り、それを売ったお金を詐欺の被害者などに寄付するのか、汗を流して働くのか。復帰時期の検討はそれが決まってからです。

 そもそも、僕が社長になった2009年の時点で反社会的勢力と決別したつもりでした。役員や社内にも反社のような人たちがいた。たいそうな言い方はしたくないですが、命がけで追い出しました。当時の株主のみなさまに対しては、反社の一掃への決意を踏まえた「吉本興業の近代化」を誓いました。その姿勢は、非上場化した今日(こんにち)においても一貫して変わっていません。

 社長就任前後はちょうど、暴力団排除条例が各地で施行されはじめた時期と重なります。会社の顧問に警察OBを迎え入れ、取引先はすべて反社ではないかチェックをし、コンプライアンスに関する小冊子も作った。

 年に数回、現役の警察の方を招いて講演もしてもらっています。さらに、芸人のためのホットラインも開設しました。これはいまも、顧問の警察OBや総務部、法務部の人間が24時間態勢で電話番をしています。

 このホットラインは、たとえば、夜遅くに芸人が居酒屋で飲んでいたとします。すると近くに座っていた人から、「お前、芸人か。一杯飲めや」と言われてビールを注がれた。怖くて飲んでしまったけれど、そこですぐ電話をすれば、対応を話し合える。実際に、悩みの相談のような内容や、「僕たちのライブのチケットを買ってもらった人の兄がそのスジらしい。その兄も見に来ると言っているようだが、どうすればいいか」といったケースもありました。

 今回の一件が起きたのは、このような取り組みが、完全に機能していなかったということです。非常に申し訳なく思っていますし、私自身の思いは、無念、です。

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