韓国で猛威「日本不買運動」 分かれた企業の明暗

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シャイジャパン族

 しかし、同じビール会社でもサントリーでは事情が異なるようで、

「今のところ報道されているような影響は確認されていません」(担当者)

 何が明暗を分けたのか。

「うちは他社さんのようにスーパーなど小売店に缶ビールを卸しているわけではなく、居酒屋の樽生ビールがメインなんです。もちろんシェアはそんなに大きくありませんが、取引先の居酒屋さんとは信頼関係もありますし、樽生ビールの場合、銘柄を変更するのは一苦労ですからね」

 辛くも難を免れたのはサントリーに限らない。先の記者によれば、

「いま韓国では、商品や企業名を打ちこめば、日本企業の製品かどうかと同時に、韓国製の代替品を紹介してくれる『no no japan』というサイトが人気なんです。ソニーと入れるとサムスンと出たりするわけですが、そこにデジタル一眼レフなどを製造するニコンやキヤノンといった企業名を入力しても“代替不能”と表示される」

 かくも勢いばかりの不買運動に左右されるのは、日本企業だけではない。

「先日は、日本食レストランを60店舗経営している韓国の企業が20%以上も売り上げを落としたと報じられました。店側は“働いているのも韓国人だし、使っている材料も韓国産なのに”と困惑しきりです」(現地記者)

 それもこれも不買運動が活動家に利用されているからなのだといい、

「日本製のビールを売らないと最初に宣言した自営業者団体の会長は、2年前の大統領選で文在寅さんを支持した人物。さらに日本製品の販売を拒否すると表明したマート労組や、ユニクロの運送を拒む宅配労組も文さんを支持してきた民主労総の下部組織なんです。みんな売国奴扱いされることを恐れていて、最近は、日本に旅行しても写真をインスタグラムにアップしなかったり、ネットでこっそり日本製品を買ったりする“シャイジャパン族”も増えている」(同)

 ご苦労なことである。

週刊新潮 2019年8月8日号掲載

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