女子ゴルフ黄金世代8人目V「小祝さくら」7度目の正直

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 小さく祝う――なにやら奥ゆかしい苗字だが、その名の通り、初優勝を決めた瞬間、彼女はガッツポーズをするでも涙を流すでもなく飄々としていた。

 茨城県のイーグルポイントGCで行われた「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」(優勝賞金1080万円)で、小祝さくら(21)がツアー初優勝を遂げた。

 勝みなみ、畑岡奈紗ら強豪がひしめく1998年度生まれの“黄金世代”で8人目となる優勝者だ。

 ゴルフ界には珍しい色白美人は北海道北広島市出身。2016年に北海道で行われた「ニッポンハムレディス」でアマチュアながら優勝争いを繰り広げたことで一躍脚光を浴びた。高校生で史上最年少優勝を果たした勝ほどではないが、この世代ではわりと早くから名を馳せていたのだ。が、

「初Vは同期に次々と先を越された。ただ昨季は2位が4度。それも勝負弱いというより勝ち運がなかった」

 とツアー記者が語る。

 小祝が最終日最終組となったのは過去に6戦もある。前述したアマ時代の16年「ニッポンハム」と18年の米ツアー「TOTOジャパンクラシック」こそスコアを乱して8位に終わったが、それ以外は2位ないし4位と健闘している。

「7度目の最終組だった今回は、同組の工藤遥加(26)も初優勝を目指していましたが大崩れして13位に沈みました。優勝未経験者なんてこんなもんですが、小祝は違う。最も優勝に近づいた昨年のゴルフ5レディスで、プレーオフまで行きましたが、相手は元米賞金女王の申ジエ(31)。運が悪いとしか言いようがない」

 ともあれ“7度目の正直”で栄冠を手にした小祝。優勝会見でも淡々とした様子で、“ゴルフをやってきて今日が一番嬉しい瞬間では?”と問われても、

「BTS(韓国人グループ「防弾少年団」)のライブで2列目の席が当たった時の方が嬉しかったです」

 これからも小さく祝うVを積み重ねてほしい。

週刊新潮 2019年8月1日号掲載

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