「東京ディズニー」に2年ぶり新アトラクション 顧客満足度“暴落”からのV字回復なるか

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永遠に完成しない場所

 そこでいえば、今回の「ソアリン」登場はどう影響するか。ハングライダーによる飛行シミュレーションを体験でき、17年の「ニモ&フレンズ・シーライダー」以来となる新アトラクションだという。『ニモ』はファンの間でも評価が芳しくなく、先の話に照らせば『クオリティ』改善を果たせず、顧客満足度の底上げは叶わなかったといえる。その点、「ソアリン」はすでにカリフォルニアや上海のパークで導入済みの人気アトラクションだというから、不安はないといえるか。

 新アトラクションが稼働し、さらに2020年春からは大々的なパークリニューアルがお披露目される――が、さらにその先は。マクドナルドが次々新商品を発表したように、新アトラクションを導入するというわけにはいかない。近年のキャッチコピーで〈ここは、永遠に完成しない場所〉と謳ってはいるけれども……。

「そこはテーマパークというビジネスの宿命でしょうね。USJのほかにも、ムーミンバレーパークやナガシマリゾート、レゴランドといったテーマパークが現れてきて、これらと比較しての評価がなされる環境ではあります。今回、施設やアトラクションの『ハード面』の改善が進んだわけです。今後は、『ソフト面』。すでにまたUSJでは、時期によってチケット価格に差をつける“季節変動性”が始まっていますが、これはTDRでもゆくゆくは始めるはず。IT面で改善の余地もあるでしょう。今回、ファストパス(優先搭乗)のスマホアプリ対応も始まりましたがこれを応用すれば、来園者を誘導する形でアトラクション毎に分散させ、混雑緩和の仕組みも作れます。こうした点の改善が、さらに顧客満足度を上げることになると思われます」(先の小川教授)

 今後は“夢と魔法とITの王国”を目指すということだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月25日掲載

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