参院選落選の市井紗耶香 「選ばれない女」というポジションと人生

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「自分は器用な方ではない」と称した市井のズレと失敗

 アイドルとしても、シンガーとしても、ママタレとしても、政治家としても選ばれない市井。今ひとつ運が悪かったという言い方もできるのかもしれないが、芸能界は運も実力のうちという言葉もある。さらに今は承認欲求全盛の時代だ。「選ばれない」「求められない」という烙印はひどく苦しいことだろう。

 市井は出馬にあたり、「器用ではないので、一度決めた以上は議員になるため専念したい」と語っていたが、むしろ器用すぎることが問題ではないかと感じている。人気アイドルを経て、バンドにモデルに女優活動。ママタレもやりつつアロマセラピスト資格を取って鍼灸の学校にも出向く。そして政治家宣言。手広くなんでもやりすぎて、結局彼女はどんな人で何が得意なのか、自ら目印となる印象を消してしまっているのではないだろうか。

 彼女の言う「器用ではない」は、今まで挑戦してきた世界の中で、1番に選ばれるような成功体験が無い、ということだろう。また今回も選ばれなかった、という焦りが彼女を急き立てているのかもしれないが、見切りが早すぎることもあと一歩のところで成功に手が届かない理由とも言える。モーニング娘。の過去のPVを見ていて、「ザ☆ピ~ス!」くらいまで残っていたら、もしかしたら市井がセンターをやっていたかもとふと思った。この時のセンターの石川梨華はすごく可愛いのだけど。

 きっとモーニング娘。OGの中で、最も手広く行動しているのは市井だろう。その行動力を生かして、彼女がどこかで自分の納得がいく「選ばれし女」になることはできるのだろうか。次なる道としてどんなフィールドを選ぶのかとても興味がある。また焦って一発逆転を当て込んで、YouTuber宣言とかをしないことを願うばかりだ。

(冨士海ネコ)

2019年7月25日掲載

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