藤井聡太「奇行ヤバイ」対局相手にも表情変えない大物ぶり

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 最近、将棋ファンの間である対局が話題になっている。それは7月2日に関西将棋会館で行われた順位戦C級1組2回戦、あの藤井聡太七段(17)と堀口一史座(かずしざ)七段(44)の一戦だ。

 その日の対局3分前、堀口七段は季節外れのダウンジャケットを着て、コンビニのビニール袋を提げながら登場した。対局室の入口付近で観戦記者たちに両手を突き出すような謎のポーズを決め、“誰か将棋指しません?”と言って着席しようとした時、体勢を崩すと、一拍置いてから転び、“転んでもただでは起きない”と発した。その場に居合わせた観戦記者によれば、

「対局は今年最短のわずか47手、たった1時間23分で、藤井七段が勝利を収めました。午前中で勝負が決するのは異例中の異例。対局後、堀口七段は感想戦も放棄して退室してしまいました」

 この対局はネット配信されていたため、ネット上では一部の将棋ファンから“奇行ヤバイ”などと、堀口七段の言動に戸惑いの声が上がっている。

「本来、堀口さんは実力のある棋士なのですが……」

 こう同情を口にするのは、ある中堅棋士だ。

「堀口さんは、藤井さんが2年連続で制した朝日杯将棋オープン戦の前身で優勝しています。奇しくも、その決勝の相手は藤井さんの師匠、杉本昌隆八段。数年前、堀口さんは負けが込み“心の病”になってしまった。対局前の発言は久しぶりの動画中継で緊張したための照れ隠しで、転びそうになったのは体力の低下が原因だと思います」

 確かに、堀口七段に同情するベテラン棋士や観戦記者たちは決して少なくない。一方の藤井七段の反応は、

「師匠の杉本さんか、先輩棋士から堀口さんの近況を聞いていたのでしょう。藤井さんはこの珍事にも表情を変えず、泰然自若としていました」(同)

 決着は深夜になると思われていた。ところが対局が午前中で終わったため、さらなる予想外のできごとが。

「対局前、藤井七段は昼食用に将棋会館の向いにある『やまがそば』へ他人丼と冷やしうどんのセット830円を注文していました。対局後、記録係をしていた奨励会の会員に、“良かったら、食べて下さい”とそれをふるまって、対局室から去っていったのです。お会計はすでに藤井七段が済ませていましたよ」(先の記者)

 これも藤井伝説の一ページか。

週刊新潮 2019年7月18日号掲載

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