春ドラマ採点、ベスト3は3位「あな番」、2位「わた定。」、栄えある1位は……

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7月期「朝顔」でフジの命運が決まる!?

 と話を進めてきておいて、今さらではありますが、以上はすべて「ワースト3篇」と同様、プライム帯(夜7~11時)の民放の連ドラに限った話。この縛りを外すなら、魔の平成31年/令和元年4~6月期にも見ものはちゃんとあって、そこまで含めての連ドラ全作でのベスト3を挙げさせてもらえるのなら、次のようになります。

(3)「腐女子、うっかりゲイに告る。」「家政夫のミタゾノ3」
(2)「きのう何食べた?」
(1)「やすらぎの刻~道」

「腐女ゲイ」はNHKの、「ミタゾノ3」はテレ朝の、「きの何?」はテレ東の、いずれも深夜モノだし、「やす刻」はテレ朝の昼ドラゆえ、プライム連ドラ、特にTBS、日テレ、フジは死んだのか状態でして、中でも4月クールのフジは、ちょっと前まで漂ってた復調の気配が嘘のような壊滅ぶり。日テレのように新しいことやってコケてるのならまだ先は明るいけれど、フジは手垢まみれの手慣れたやっつけ仕事で失敗してるので、救いがない。

 唯一、数字は悪くなかった「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」の月9枠も、次の7~9月期にやる「監察医 朝顔」は医療モノ+警察モノのニコイチ企画。この煮詰まり具合には不安が募るばかりです。上野樹里が主演の「朝顔」、現状では「せいぜい中ヒット」というのがワタシの予想なんですが、願っているのはこれが派手に裏切られること。大当たりになってフジのドラマを刷新するような新しい作品になるならありがたいし、正反対の大外れだって歓迎したい。死ななきゃ治らないほどの重体なら、いっぺん死ぬことも薬になるはずですから。

「ワースト3篇」で紹介した、デーブ・スペクターが2年前にニッポンのドラマを嘆いてツイートしたラディカルな提言を、今度は抜粋でもう一度──。

「全てのテレビ局が全てのドラマを止めた方がいいと思います。進化してないし海外ドラマから何も学習してないし、相変わらず視聴者を無視する芸能プロダクション先行で不適切なキャスティング。2年間の休憩してリセットする事を勝手ながら勧める。」

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月10日掲載

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