春ドラマ採点、ベスト3は3位「あな番」、2位「わた定。」、栄えある1位は……

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吉高のままで続篇を

 続いては第2位──TBS系・火曜10時の「わたし、定時で帰ります。」。

 タイトルがコレ、時は“働かせ方改革”の真っ只中、主演は若い娘の本音を叫ばせたら当代随一の吉高由里子、枠は「逃げ恥」「義母ムス」の「火曜ドラマ」。TBSがそれなりに本気で当てに来てることは、企画が発表された段階から見えていました。

 一方で、制作が凡作量産会社だったTBSスパークル(旧ドリマックス)であったり、吉高がアミューズ所属/相手役の向井理がホリプロ系/助演格までジャニーズからバーニングまで勢揃いというキャスティングにギョーカイ臭がキツかったりと、西の空に黒い雲が出ていたのも確か。

 ゆえに、放送開始前のワタシの予報は、「大当たりか大外れのどちらか」ではなく「プラスとマイナスの要素が拮抗しての中ヒット」だったんですが、出来も視聴率(全話平均で9・7%[視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区])も、まぁ読みどおりとなりました(吉高の視点から見るならば、前作の「正義のセ」と似たような結果)。

 それをわざわざベストの2位に選んだワケは2つありまして、ひとつは他の作品が(以下略)だとして、もうひとつは奥寺佐渡子・清水友佳子コンビの脚本が楽しめたこと。特に奥寺は「時をかける少女」や「サマーウォーズ」という細田守監督のアニメ映画のホンで唸らされた脚本家で、今回も吉高の跳ねさせ具合が、それこそ「時かけ」の真琴を髣髴とさせて悪くなかった。

「わた定。」、そもそも朱野帰子の原作小説はもっと面白いし、2作まで出ているゆえ、願わくば脚本:奥寺/主演:吉高のままで続篇・リメイク版・映画版などつくっちゃいただけませんかね? それもできるだけ早く。

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