春ドラマ採点、ベスト3は3位「あな番」、2位「わた定。」、栄えある1位は……

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栄えある1位は消去法?

 そして2019年4~6月期・民放プライム帯連ドラのベスト1は──日テレ系・土曜10時の「俺のスカート、どこ行った?」。

 放送開始前の個人的連ドラ予測で言うならこの「俺スカ?」、「わた定。」とは反対に「大当たりか大外れか」だと見てたんですが、始まってみれば、そして終わってみれば、「プラスとマイナスの要素が拮抗しての中ヒット」で、ワタシの予報こそ外れとなりました。

 プラスと思える要因はけっこうあって、デカいものだけ選び出しても……

●「おっさんずラブ」や「弟の夫」、同じ4月期(ただし深夜)の「きのう何食べた?」に「腐女子、うっかりゲイに告る」などなど、ここんとこどんどん増えて、かつ良作佳作傑作続きのLGBTモノ(というよりGモノ)
●主役の女装のゲイの高校教師52歳を演じるのが、達者すぎる古田新太師匠
●助演にも小市慢太郎に荒川良々から、大倉孝二、桐山漣まで演劇系の濃いのが揃って、その他に混じるジャニーズ系やら乃木坂系やらの臭み消しに
●「今日俺!!」「3A」と、当たり続きの日テレ学園ドラマ
 ……という具合です。

 実はこの他に、

●脚本も演出陣も名高いベテランではなくて、新しいモノが期待できる
 ……てな項目も、個人的予報には挙げていたんだけれど、放送が始まって話が進んでいくうちに、思惑から一番大きく外れたのがコレでした。いや、せっかくおかしな大人たち=教員たちを揃えたのに、対する子供たち=生徒たちが割と常識的で、ストーリーも古典的と呼びたいくらい、ありがちな学園モノだったんです。

 フツーの学校にフツーじゃなさすぎる教員をブチ込んでみる実験という学園ドラマは、矢沢永吉の「アリよさらば」とか「ビートたけしの学問ノススメ」とか、以前からよくあるんですが、あいにくヒット作は少ない。しかも「俺スカ?」の場合、肝心の古田新までが、回を重ねるごとに“中身はノンケとそう変わらないおっさん”に見えるような芝居を求められる筋立てになっていたのも残念だった。

 とはいえ、この手の不満は高すぎた期待の反動でもあって、毎週1時間弱をウチに居ながらタダで過ごすための方便である連ドラとしては、相応に、あるいは相当に、楽しませてもらえました。この「楽しませてもらえた」というのが、今年4月期のベストワンに相応しいと思える理由のトップだったかもしれないなぁ。何しろ他は、楽しむより残念がったり腹が立ったりせざるをえない物件が特に多かったんでね、このクールは。

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