「あなたの番です」がSNS効果で人気上昇中 原田知世は本当に死んでしまったのか?

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密室モノは実験済み

 この展開をどう見るか。上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)に聞いてみた。

「普通に見ていると、やはり原田さんは死んでますよね。ただ、第1クールの終わりで主役を殺してしまうというのは驚きました。アッパレですよ。これで万が一、生き還らせるとしたら、夫の田中圭と真相を暴くために組んだという設定になるわけですが、彼女は司法解剖までされたことになっています。それに第2クールからの“反撃編”で、犯人捜しに燃えている田中圭の熱演はなんだったんだということになってしまいます。彼女が生き還ることはないと思います」

 やはり、死んでしまったか……。

「それだけに今後の展開が楽しみです。当初は、ミステリーで半年もやれるのか疑問でした。コイツが怪しいとわかられてしまっては作り手の負けですし、ミステリーがフェアであるためには、ある程度のタネは見せていかねばならないという中で、今のところ、決定的に怪しいというボロは出していませんし、コイツもアイツも怪しいという状況であり、まだ生きている登場人物はたっぷりと残っている。しかも第2クールで、さらに新たな出演者も出て来るようですしね」(同・碓井教授)

 生瀬勝久(58)や安藤政信(44)、片桐仁(45)といった従来の住民に加え、田中哲司(53)が新たな住人として参入することも発表されている。これまた、怪しい。

「引っ張るのが上手い。しかも、舞台はほとんどがマンションの中という密室モノです。これには2つの要素があると思います。まずは日曜ドラマ枠の前作『3年A組』で、日テレのスタッフは学校だけを舞台にした手法を学んでいたこと。そして原案の秋元さんも、かつてテレ東で欅坂46を使った深夜ドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』(16年7月~10月)の原作を担当していました。このドラマは、学校を舞台に担任教師(嶋田久作[64])が殺されたナゾを解くという学園ミステリーを実験していた。密室モノを学んだ強化チームが作ったドラマだからこそ、第2クールも保たせることができているのだと思います。また、密室ドラマにして舞台を固定にすれば、コストパフォーマンスもよくなります。第2クールに違うドラマを2つ作るよりも、はるかにコスパはいいですし、予算の多くはキャスト費になる。原田や田中は別として、ギャラの高そうな竹中さんは真っ先に死んでいますしね」(同・碓井教授)

 第2クールになって人気が出てきていることについては、

「SNSのおかげが大きい。日曜の遅めの夜という時間帯も、リアル視聴に適した時間帯です。見た直後に自分の推理を披露して盛り上がれる、いい素材なわけです。そうした盛り上がりも、計算済みのように思います。はっきり言ってしまえば、何ら中身のある物語ではないわけです。ひたすら視聴者に面白がってもらえればいいという、エンターテインメントに徹しているところが、相乗効果を呼んで盛り上がってきているのでしょう」(同・碓井教授)

 現在、SNSではこんな声も出ている。

〈あなたの番です見てなかったので見よう。2クール目〉

〈あなたの番です というドラマ今更だけど気になっている面白い??〉

 まさに日テレの計算通り? 果たして、「3年A組」の平均視聴率11・5%、最高視聴率(最終回)15・4%を超えられるだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月7日掲載

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