東京五輪チケット、次は不公平感満載のネット先着順販売

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 東京五輪チケット販売の抽選結果が発表された。多くの応募者が溜め息をついている。

 いったい倍率はいかほどだったのか。五輪組織委員会に尋ねるも、

「現時点では公表しておりません」

 応募者数、当選者数はおろか、最も倍率の高かった競技、低かった競技……いずれも藪の中なのである。

 実は、マスコミ各社もこぞって抽選に申し込んだ。

「メディアパスは、幹事的役割を担う共同通信以外はどこの社もすごく少ないんです。社員が分担して抽選にも応募し、多少は当選したのですが、同じ競技に何人も当たったり……まだまだ全然足りてませんよ」

 と全国紙記者が嘆く。

「各競技団体への割当ても少ないようで、スタッフ総出で抽選に応募していました。とある競技で出場濃厚な選手のお母さんも“親戚総動員で応募したけど、全滅だった”と。近々JTBなど旅行代理店がチケット付きツアーを売り出しますが、“交通や宿泊の部分が無駄になるけど、買うしかない”と悲壮感を漂わせていました」

 ちなみに、ツアーの販売も原則として抽選制である。

 ツアーやスポンサー企業のプレゼントを除くと、次なる購入チャンスは、秋のインターネット先着順販売。パソコンの性能、通信環境、販売開始の曜日や時間帯、マウスをクリックする指の筋肉……さまざまな“不公平要素”が生まれそうだ。

 いっそ、もう一度抽選をしてはもらえまいか、と組織委に問い合わせると、

「今回の抽選をふまえ、今後どのように販売していくか、具体的な内容についてはこれから検討していくことになります」

 と含みのある回答が得られたのだが……。

 近くて遠い東京五輪。

週刊新潮 2019年7月4日号掲載

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