怪物・佐々木朗希だけじゃない!ドラフト戦線に浮上する“注目の逸材13人”

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 今年のプロ野球ドラフト会議、最大の注目選手は最速163キロを誇る佐々木朗希(大船渡)である。史上初の「12球団1位競合」との噂もあるほどの大器だが、それ以外にもドラフト1位で指名される可能性がある“逸材”は少なくない。

 特に、今年は高校生投手に注目だ。佐々木と並んで早くから名前が挙がっているのが奥川恭伸(星稜)、西純矢(創志学園)、及川雅貴(横浜)だが、完成度と大舞台での実績では、奥川が一歩リードしている。2年春から3季連続で甲子園に出場し、昨年夏は下級生ながら、ただ一人高校日本代表にも選出された。この春の選抜でも初戦で、強打の履正社を相手に被安打3、17奪三振完封と圧巻の投球を見せた。少しステップの幅が狭く、重心の高いフォームだが、コンスタントに145キロを超えるストレートと多彩な変化球をコーナーに投げ分ける投球は安定感抜群だ。1年目からもある程度一軍の戦力として期待できるだけに、競合を避けて一本釣りを狙う球団も出てきそうだ。

 西は、昨年の夏の甲子園で、優勝候補の創成館を相手に被安打4、16奪三振の無四球完封という投球を見せて、一気に名を挙げた本格派右腕。昨秋は中国大会で広陵相手にコールド負けを喫し、惜しくも選抜出場は逃したが、恵まれた体格でスケールの大きさは奥川を上回るものがある。その潜在能力の高さは全国でもトップクラスだ。佐々木の「外れ1位」として有力な候補となるだろう。

 一方、及川は今春の選抜で打ち込まれて少し評価を落とした。高校入学当初から大器と評判で、既に3度甲子園にも出場しているが、なかなか大舞台で力を発揮できずにいる。時折目を見張るようなボールは来るが、それが続かず、突如として崩れる悪癖が課題だ。今年は大学生、社会人も含めてサウスポーの有力候補が少ないのは追い風となるが、1位指名の12人に入るには、この夏のピッチングが重要になる。

 この3人に次ぐ存在になるのが、井上広輝(日大三)と宮城大弥(興南)である。井上は昨年春の選抜で見事な全国デビューを飾った後は、右肘の故障に苦しんだものの、この春はしっかり調子を上げてきた。バランスの良いフォームから投げ込む140キロ台後半のストレートは威力十分。投手としての総合力は奥川、西と大差ない印象だ。宮城は173cmと上背はないものの、一冬超えて驚くほど投球が力強くなった。力を入れると楽に145キロ以上をマークし、サウスポーらしいボールの角度があるのも長所だ。打者の手元で鋭く変化するスライダー、チェンジアップも超高校級の迫力がある。上背の無さを気にするスカウトもいるが、現時点での実力だけを見れば“高校生ナンバーワン左腕”といえる。

 野手は一昨年、昨年と比べて高校生の大物は少なく、その中で上位候補となると石川昂弥(東邦・三塁手)になるだろう。選抜の決勝では2本塁打を放った右の強打者で、少し踏み込みが弱く脆さはあるが、リストの強さは一級品。春は投手としての負担が大きかっただけに、この夏は三塁手として、さらなる爆発を見せてくれることに期待したい。

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