川井梨紗子の身を借りて伊調馨に一矢報いた栄和人元監督

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 レスリングの全日本選抜選手権が行われ、57キロ級決勝で川井梨紗子(24)が伊調馨(35)に勝利した。昨年12月の全日本選手権は伊調が勝利。川井はその雪辱を果たしたことになる。

 伊調は昨年起きた“パワハラ事件”の当事者だが、実は会場の応援席の片隅に、もう一方の当事者である栄和人・元至学館大監督の姿があった。

 栄氏といえばちょうど1年前、全日本選抜開催中にキャバ譲と遊んでいたことを写真誌にスッパ抜かれ、監督を馘(くび)になったはずだが、

「実は、昨年12月から非常勤ながら再び至学館でレスリングを教えています」

 と大学関係者が明かす。

「至学館では、現役学生だけでなく、梨紗子らOGも練習をしています。彼女たちの中にも、栄さんの復帰を待望する声と、それに反対する声の賛否両論がありました。それを、リーダー格の梨紗子が集約。復帰に際して栄さんに二つの条件を出しました」

 一つは、選手全員の前で自分の口で謝罪すること、もう一つは、事件について今後道場では一切口にしないこと、だった。

「それを受けて10月末、栄さんが道場を訪れ、“自分の不徳の致すところです。迷惑を掛けて申し訳ありませんでした”と選手たちに深々と頭を下げたのです」

 コーチを務める吉田沙保里氏も、“栄さんの力を借りたい”という意見だったという。

「ただし、クラブの運営には関わらせていません。現在は週2回、学外コーチとして希望者にのみ指導を行っています。梨紗子もその一人です」

 リベンジの陰には栄氏の助力があった。否、川井の身を借りて栄氏が伊調に一矢報いたというべきか。

 川井と伊調は7月6日、世界選手権の切符を賭けてプレーオフを戦う。

週刊新潮 2019年6月27日号掲載

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