「小川彩佳」「加藤綾子」も大苦戦、なぜ報道番組で「女性ピンMC」は成功しないのか

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男女2人のMCは高視聴率

 人気のニュース番組を振り返る時、「男性MCと女性のサブMC」という組み合わせが脳裏に浮かぶ方は、決して少なくないだろう。

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「ニュースステーション」(テレビ朝日系列:1985~2004年)なら、久米宏(74)と小宮悦子(61)、「筑紫哲也 NEWS23」(TBS系列:1989~2008年)なら筑紫哲也(1935~2008)と草野満代(52)という具合だ。

 さらに時代を遡れば、「ニュースセンター9時」(NHK総合:1974~1988年)の木村太郎(81)と宮崎緑(61)、「NNNきょうの出来事」(日本テレビ系列:1954~2006年)の小林完吾(87)と櫻井よしこ(73)、「FNNスーパータイム」(フジテレビ系列:1984~1997年)の逸見政孝(1945~1993)と幸田シャーミン(63)――と枚挙に暇がない。

 では、今のニュース番組は、どのような状況になっているのだろうか。例えば小川彩佳アナ(34)がテレ朝から移籍して話題となった「NEWS23」(JNN系列)の公式サイトを見てみると、確かに2人の男女がメインに据えられている。

 1人は言うまでもなく小川アナであり、もう1人は「元朝日新聞社政治部特別編集委員」という長い肩書きを持つ星浩氏(63)だ。

 しかし公式サイトで星氏の肩書きは「アンカー」になっている。つまり、「news23」は実質、小川アナがピンでMC=キャスターを務めていることになるのだ。

 同じように加藤綾子アナ(34)のキャスター就任が話題となった「Live News it!」(フジテレビ系列)の公式サイトも見てみよう。

 こちらは「メインキャスター」が3人。1人は加藤アナ、あとの2人は男性で、風間晋・フジテレビ解説委員(年齢不詳)と、木村拓也アナ(28)だ。

 公式サイトは「3人が等しくMCですよ」と紹介しているわけだが、微妙な違和感が残る。テレビ担当記者が解説する。

「『ニュースステーション』を例に取りましょう。MCの久米さん、サブMCの小宮さんが全面に出て、さらに朝日新聞の記者がコメンテーターに付きました。特に人気があったのは初代の小林一喜さん(1934~1991)でしょう。そしてスポーツを担当する朝岡聡さん(59)や松井康真さん(56)という当時の若手男性アナが“3番手”という感じで画面に映っていました。これこそがニュース番組における“勝利の方程式”なのです」

 この“方程式”に当てはめると、「news23」の星浩氏や、「Live News it!」の風間解説委員は実質的にコメンテーターだと言える。

 さらに「Live News it!」の木村アナも28歳という年齢を考えれば、MCやサブMCというよりは“3番手”のポジションだろう。つまり小川アナだけでなく、加藤アナも女性のピンMCとしてニュース番組を仕切っているのだ。

 両番組とも低視聴率に苦しんでいる。「NEWS23」の初回視聴率は4.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、「Live News it!」も初回は4.6%と低迷。少なからぬメディアが「期待外れ」と報じた。

 民放キー局で番組を制作するスタッフは「小川、加藤アナがピンでMCを担当していることが、低視聴率の一因だと思います」と指摘する。

「男性がメインMC、女性がサブMCを務めるという“勝利の方程式”は昭和に完成しました。依然として、それは令和になっても有効です。ニュース・情報番組の視聴者は保守的な人が少なくありません。有働由美子アナ(50)の移籍が成功したとされる『news zero』(日本テレビ系列)も視聴率を精査すると、櫻井翔さん(37)と有働さんが男女2人のMCとなる月曜の視聴率がトップです。多くの視聴者は男性と女性のペアがニュースを報じるスタイルに安心感を覚えると言われています」

 論より証拠、ビデオリサーチが関東地区で調査した6月第1週の視聴率から、ニュース番組だけをピックアップしてみよう。ベスト10を並べ、MCを附記して表にした。最初はベスト1から5だ。

 4位の「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系列)に至っては、女性のMCはメインでもサブでも存在しない。ビートたけし(72)と安住紳一郎(45)という男2人のMCで番組を進行していくが、しっかりと視聴率を取っている。

 次は6位から10位までをご覧いただこう。当然、「NEWS23」も「Live News it!」も入っていない。

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