勝新太郎、見栄っ張りが高じて借金20億円! 賭場のヤクザにも怯まず

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最初は富三郎が…

 2017年に亡くなった齋藤さんに代わって、長男の恒久さんが回想する。

「母がテレビ番組に取り上げられたことがあって、それをきっかけに、最初は勝さんのお兄さんの若山富三郎さんが“5千万円貸してほしい”と訪ねてきたのです。その後、話を聞きつけたのか、勝プロの常務がやってきました。私は“絶対に貸さないほうがいい”と反対しましたが、奥さんの中村玉緒さんまでやってきて“必ず返しますから”と言われて……」

 以後、勝プロが倒産する81年まで、ことある毎に齋藤さんは手形を切り続けた。

「その額はトータルで20億円ほどでしょうか。そのほとんどを返済してもらっていませんが、母は後悔していなかった。“あれだけの人が頼ってきたんだから”と」(同)

 傍から見れば笑えるほどの見栄っ張りと、そんな男に笑うしかない金額を貸しながら、返済を求めない人。

 良くも悪くも、いまとは桁違いの、昭和のスケール感が覗くのである。

週刊新潮 2019年6月20日号掲載

ワイド特集「『令和』に踊る『昭和』の影法師」より

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