「ひきこもりを家族だけで解決するのは不可能」と有識者が断言するこれだけの理由

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「とにかく相談」

 そして、何にも増して重要だと、関係者が口を揃えるのは、ひきこもりを「家庭内の問題」と捉えてはいけないということである。黒川氏が、

「家族との関係もひきこもりの原因のひとつなので、家族だけでひきこもりを解決するのは不可能だと思います。とりわけ、50代までひきこもっている子を持つ親ができるのは、行政のひきこもり地域支援センターや、生活困窮者支援窓口などへ相談するなど、第三者の力を借りることだけです」

 と言えば、片田氏もこう力説する。

「ひきこもりを家庭という密室の中で抱え込むのはやめてほしい。例えば元農水次官の事件は、家庭内暴力があっても世間体を気にして外部に相談しにくかったのかもしれません。しかし、暴力を振るわれた時点で警察に通報していれば、措置入院させることなどが可能だったはずです。とにかく、医療施設や福祉施設に相談してください」

 とどのつまり、「恥」や「外聞」を捨てること。それが、80代の親に50代のひきこもりがいる世帯の困窮と孤立、「8050問題」という袋小路に迷い込まないための何よりの処方箋と言えそうだ。

週刊新潮 2019年6月13日号掲載

特集「あなたの隣にいる 『中年ひきこもり』の正体」より

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