日本人K-POPアイドルが続々誕生する理由 全員日本人の「TWICE」も誕生?

エンタメ2019年6月4日掲載

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日本人を含むK-POPアイドルグループが目白押し

「日韓不和を尻目に、日本の若者を惹きつけるK-POPのスターダム」――。5月1日、英国に本社を置く通信社ロイターがこんな見出しの記事を伝えた。内容は、K-POPアイドルを夢見る日本人少女たちのレポートだ。そのうち15歳と17歳の少女は、月あたりの費用が最大3000ドルという韓国の専門スクールに留学中。同スクールは毎年約500人の日本人が入学し、韓国語の授業も行っているという。

 オリコン・リサーチによると日本のK-POP市場が最初にピークを迎えたのは、KARAや少女時代がブレイクした2011年の265億8000万円(推定総売上、以下同)。その後は日韓関係悪化のあおりで失速し、2015年には165億1000万円まで縮小。ところが2018年になると、一気に過去最大の274億5000万円まで急拡大した。2017年(175億5000万円)からの伸び率は、56.41%だ。

 日本のK-POP市場をV字復活させた立役者の1つが、男性グループ「防弾少年団」=「BTS」。またもう1つが、2年連続でNHK紅白歌合戦に出演した女性グループ「TWICE」だ。

 2015年デビューの「TWICE」は、メンバー9人のうち3人が日本人。いま韓国では、その成功に続けとばかりに、日本人メンバーを含む女性グループのデビューが相次いでいる。昨年デビューした「NATURE」「公園少女」、今年1月デビューの「Cherry Bullet」などがそうだ。また日韓合同のオーディション企画から生まれた女性グループ「IZ*ONE」(2018年10月活動開始)も、AKB48との兼任メンバーら3人の日本人が加わっている。

 需要と供給がうまくマッチする形で、K-POP市場の注目を集めている日本人メンバーたち。だが、そうしたトレンドの背景には、ほかでもない中国の存在がある。

SMエンターテインメントの中国戦略

「TWICE」「IZ*ONE」など日本人女性の活躍が特に脚光を浴びているが、K-POP業界で奮闘する日本人男性もいる。男性9人組グループ「NCT 127」のユウタ(中本悠太[23])もその1人だ。彼は2011年、地元の大阪で行われた韓国芸能事務所のオーディションに合格。言葉も分からないまま16歳で単身韓国へ渡り、練習生となった。「NCT 127」メンバーとしてのデビューは、2016年7月だ。

「NCT 127」は、アイドルプロジェクト「NCT」から派生したユニットの1つ。「NCT」全体では計21人のメンバーがいる。出身地は韓国9人、中国7人(うち香港とマカオが各1人)、以下アメリカ、タイ、カナダ、ドイツ、そして日本が各1人ずつ。このメンバーを組み合わせる形で、「NCT 127」のほか複数のユニットが活動する仕組みだ。

「NCT」が所属する芸能事務所は、SMエンターテインメント。「東方神起」「少女時代」「EXO」などトップスターを多数輩出してきた最大手の芸能事務所だ。同社はまた、早くからK-POPアイドルの海外進出を展開してきた草分けでもある。1996年デビューの男性グループ「H.O.T」は中国、そして2000年デビューの女性ソロ歌手BoAは日本で、それぞれ大きな成功を収めた。

 同時に力を入れてきたのが、海外人材の発掘だ。とりわけ同社は、中国人アイドルの育成に力を入れてきた。狙いはもちろん、中国市場の攻略だ。2005年デビューの男性グループ「SUPER JUNIOR」には、中国人のハンギョン(35)が参加(2009年12月に脱退)。2009年デビューの4人組女性グループ「f(x)」は、中国及び台湾系が計2人。そして2012年デビューの男性グループEXOは当初、中国人メンバー4人を擁していた。同社が日本人をデビューさせるのは、現地メディアによるとユウタが最初とされている。

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