“3500万円空き巣被害”の高須院長、美容外科医が他の医者より圧倒的に儲かる理由

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美容外科医の卵は

 ところで、リッチマン候補生である、美容外科医を目指す学生たちは、どこで学んでいるのだろう。

「かつては整形外科、形成外科で学んだ医師が美容外科学を独学し、転科するケースが多かったのですが、今は医学部に美容外科の外来があります」(前出・中原氏)

 1978年、奇しくも高須氏の母校である昭和大学が、日本で初めて附属病院に美容外科を設置し、医師を育て始める。以来、東京女子医大、杏林大などの附属病院にも美容外科が設けられた。2007年には神戸大医学部附属病院が国立大として初めて独立した美容外科をつくった。

 とはいえ、医師免許を持ってさえいれば、どんな経歴の医師も美容外科医になれてしまうのも事実。医師免許は診療科を限定していないからだ。医師転職用サイトには「未経験者可」を謳う美容外科医院の求人が珍しくない。

「患者が増えたので美容外科医が不足気味である上、レーザー照射やヒアルロン酸注射などメスを使わない施術法が多くなったので、ほかの診療科からの転科が増えた。だから、経験の浅い美容外科医が増えている」(前出・開業医)

 もし、ほかの診療科から美容外科に移って日の浅い医師に顔をいじられたら、怖い気がするが……。

「美容外科医に限らず医師の技量はさまざま。美容外科で失敗したくないのなら、ほかの診療科と同じく、インフォームドコンセント(治療内容などについて十分な説明を受け、理解した上で、最終的に治療方法を選択する)を欠かさないこと)(同・開業医)

 また、美容外科医院の前で、外から長く観察してると、技術力が垣間見えるそうだ。

「技術力が低い美容外科医院には、元患者たちが抗議に訪れますから。血相を変えて医院に訪れる人を見かけたら要注意。院内の雰囲気も参考になります。医師と患者が言い争いをしていたら、やはり注意することです」(同・開業医)

 前出の中原氏も「価格競争が始まり、安さを売り物にしているところもあるが、それに惑わされないこと」と警鐘を鳴らす。

 ちなみに2018年、国民生活センターに寄せられた美容医療サービスに関する相談は1722件にも上る。

 医師に高収入をもたらす自由診療は、患者側の自己責任によって成り立っている。

高堀冬彦/ライター・エディター

週刊新潮WEB取材班編集

週刊新潮 2019年6月2日掲載

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