サラリーマン川柳のレベルが低下している? 松本人志の発言に注目が集まったが……

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時代を反映している句も

 バブルが崩壊したと言っても、94年ぐらいまでは、それほど悲壮な感じはしない。90年の1位はディスコにおける「お立ち台」のブームが背景にあるが、例えばジュリアナ東京は91年にオープンし、94年に幕を閉じた。

 93年の2位は「OL」という言葉が現役だったことを示している。時代は平成になっていたが、まだまだ昭和の雰囲気も残っていたのだ。

 96年の2位で、ようやく「お金がない」という意味を含んだ句が登場する。ちなみにこの「ジミ婚」だが、95年に永瀬正敏(52)と小泉今日子(53)が結婚した際、式を挙げなかったことから生まれた流行語だという。

 2つ目の表は97年から2003年にかけてのものだ。日本経済は92年から02年まで「失われた20年」に苦しんだ。97年に山一証券が自主廃業となったが、その象徴の1つと言えるだろう。

 また95年、ウィンドウズ95の発売により、日本のオフィスは「パソコン元年」を迎えた。この時期にはウィンドウズ98が発売。職場で個人用のPCを操作することが日常と化していく。それでは表をご覧いただこう。

 日常生活のIT化が窺われるのは00年の1位「ドットコム」、01年の1位「デジカメ」というところだろうか。厳しい経済情勢は98年の1位「コストダウン」、01年の2位「窓際」、03年の2位「励まされ」に現れている。

 3つ目の表は04年から10年。この期間、オフィスの劇的な変化を挙げるなら、「非正規雇用」の同僚が増加したことだろう。雇用者に占める非正規雇用者の割合は90年に初めて20%を超え、13年に過去最高の38・2%に達した。では川柳をご覧いただこう。

 08年の2位に「ハローワーク」、09年の2位に「リストラ」、10年の2位に「パート」という単語が出てくるが、この辺りが時代の象徴だろう。また06年と10年の1位は老いをテーマにしているが、日本が少子高齢化社会に突入したことが分かる。

 次の表で、いよいよ最後だ。民主党政権が終焉を迎え、アベノミクスが流行語となった11年から18年の句が収録されている。ご覧いただこう。

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