菊池雄星の「松ヤニ騒動」にみる大リーグ・珍鑑賞法

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

 マリナーズの菊池雄星(27)に“松ヤニを使っている”との疑惑が浮上した。

 8日のヤンキース戦の最中にSNSで火が付いた。たしかに、菊池の帽子のツバを見ると、何かが付着しているように見える。

「ボールに異物をつける行為は野球規則で禁じられています。バレたら即刻退場で、数試合出場停止になることも。でも、ローテーションにも影響しないレベルで、微罪と言っていい」

 と語る大リーグ研究家の友成那智氏によると、

「大リーグ球は滑るので、多くの投手が滑り止めに松ヤニを使っています。使わないとどこに球がいくかわからず、打者に危険が及ぶ。なので、敵チームも見て見ぬふりをしているのです」

 この試合でも、ヤンキースはスルー。もっとも、

「暗黙の了解とはいえ、靴紐やグラブの隙間など、他の投手は隠し場所を工夫しています。雄星の場合は動きがぎこちなく、隠すのが下手過ぎ。見ている私もヒヤヒヤし通しでした」(同)

 日本でも禁じられている行為だが、プロ野球の公式球は手触りがしっとりとしていて滑りにくく、松ヤニの出番がないのだとか。

「日本から大リーグに挑戦する投手がよく“大リーグ球にまだ慣れていない”とか“慣れた”とか言ってますよね。実はアレ、“松ヤニの使い方に慣れていない”という意味なんです」

 とスポーツ紙デスクが囁く。大リーグ球が使われるWBCなど国際大会に参加する投手からもよく聞かれるフレーズだ。

「球につけるものは松ヤニ以外にもありますよ」

 と再び友成氏。

「ポマードやグリースといった整髪料や、ワセリンなどの保湿剤で、松ヤニとは逆に、塗ると球はより滑りやすくなり妙な回転になる。ツワモノは、紙ヤスリをグラブに貼り、球を擦って傷つけることも。ただし、松ヤニと違い、これらの行為は打者を危険に晒すので、バレたら厳しく取り締られます」

 今後、大リーグをテレビ観戦する際は、こういった投手たちの仕草に注目するのも一興かもしれない。

週刊新潮 2019年5月23日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。