内村航平まさかの予選落ち「東京五輪」メダルはG難度

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練習と治療の両立

 さる体操協会関係者は、

「はっきり言って危機的状況です」

 と嘆き、こう分析する。

「正直、最近の日本の体操界は、内村という大きすぎる存在におんぶにだっこで、後進を育てることが疎かになっていました。今回の選手権で結果を残した若手選手たちは、優勝した谷川翔(かける)にせよ、実力的にはまだまだ。内村の全盛期に比べたら足元にも及びません。仮に、内村が早々に引退して、指導者として後継指名でもしてくれていたら、若手がもっと伸びていたのかもしれませんが……」

 惨憺たる現状の責任を内村に負わせるのも、少々気の毒か。元体操選手でロス五輪メダリストの森末慎二氏は、こう提言する。

「若手の選手が伸びてきていない以上、やはり日本がメダルを獲るには内村の力が必要です。しかし、30歳を過ぎると怪我が治りにくくなり、それでいて練習を休むとすぐに筋肉が退化してしまう。そのため、練習と治療を並行させていく必要があるのですが、これが極めて難しい。内村には何とかこれを両立してもらい、往年の輝きを取り戻してほしいところです」

 体操で三十路を過ぎてのメダルはG難度。むろん奇跡の復活を望みたいが……。

週刊新潮 2019年5月16日号掲載

ワイド特集「新しき御代の吉凶占い」より

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