貴乃花「花田ファミリー和解」強調に漂うビジネス臭 兄・虎上、母・紀子の本音やいかに

エンタメ週刊新潮 2019年4月25日号掲載

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 友人達と家庭の味について振り返った際のことを、向田邦子はこう綴っている。

〈その時、辣腕で聞えたテレビのプロデューサー氏が、「おふくろの作ったカレーだな」と呟いた。「コマ切れの入った、うどん粉で固めたようなのでしょ?」といったら、「うん……」と答えたその目が潤(うる)んでいた〉(「昔カレー」)

 カレーの匂いに家族の肖像を見ていたのが向田なら、鶏の唐揚げに母親からの愛を感じていたのが他ならぬ貴乃花(46)だった。3月下旬に出演した日テレの特番でこう語ったのだ。

「好物を聞かれて唐揚げって言っていたのは、実はお母さんのことが好きですって意味なんです」

 他にも、瀬戸内寂聴に勧められて絵本作家の道を歩くことにした、テーマは家族愛で「両親、兄にありがとう」という思いを込めたなどと、口にしている。母・紀子(71)=本名・藤田憲子=、兄・虎上(まさる)(48)と没交渉になって10年は優に経過しているし、昨秋、貴乃花が妻・河野景子と離婚、息子の優一も離婚と、世にも珍しいダブル離婚劇を演じたばかり。この平成の大横綱のコメントをどう受け止めるべきか、耳を疑った視聴者も少なくなかろう。

 平成のあいだ、土俵外での花田ファミリーは笑顔というよりはむしろ、四つの離婚に絶縁・洗脳・不倫・相続などの各種騒動に彩られてきた。その中心にはいつも貴乃花がいたわけで、そんな当人が家族をポジティブに語る時、主役のヤクザの親分をたこ八郎にオファーするようなミスキャスト具合を、視聴者は感じ取ったのかもしれない。

 あるいは、かつて〈貴乃花衝撃告白3時間「全ての元凶はオフクロなんです」〉(週刊文春2005年6月16日号)という身も蓋もないタイトルの手記を寄せていた人が、そこまで変わることができるのだろうか。

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