モンキー・パンチさん追悼で「ルパン三世」放映 懐かしき「峰不二子」の衝撃

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TV第1シリーズから出ていた

「『ルパン三世』シリーズの中でも名作との声も高い、映画『ルパンVS複製人間』を追悼番組として選んだ以上、不二子をカットするわけにはいかないでしょう。劇場版ルパン作品の中で、ゲストヒロインが登場せず、不二子がヒロインとなっている唯一の作品ですからね。そして、『ルパン三世』を見て育った世代は、登場人物のうち誰が好きかという話題になると、ルパン派、次元派、五エ門派、そしてまれに銭形派に分かれますが、不二子は別格です。美人でスタイル抜群(身長167センチ、B:99.9・W:55.5・H:88.8)、小悪魔的な性格の不二子は、日本男児にとってのセックスシンボルと言ってもいいでしょう」(同)

 映画「ルパン三世 ルパンVS複製人間」は、市川海老蔵が〈4年間、1日も欠かさずに見た〉というTV第2シリーズの「ルパン三世(新ルパン)」の放送が77年にスタートして翌78年に公開された。「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」を宣伝文句にしていた。

「第1シリーズの旧ルパン(よみうりテレビ制作:1971年10月24日~1972年3月26日)の前半は、原作に忠実なハードボイルド路線でした。大人向けに作られたために視聴率は1桁。今とは違って子供の数が多く、アニメなら何でもヒットしていた時代に2クールも保たずに終了しました。日曜夜7時半の放送でしたが、初回から不二子は乳首を出していますからね。親たちが子供に見せなかったことも低視聴率の原因のひとつでしょう」(同)

 旧ルパンの第1話「ルパンは燃えているか・・・・?!」では、さっそく不二子が囚われの身となり拷問を受けている。仰向けに手足を拘束された黒ツナギ姿の不二子が、無数の触手に身体中をくすぐられるというシーンは衝撃的だった。ツナギのファスナーは下ろされ、胸も露わの不二子をうれしそうに眺めながら、敵役のミスターXは彼女の胸から下半身へと差し棒を侍らせながら言うのだ。

「コースは山あり、谷あり、意外な落とし穴があるかもしれん。そうだろう?」

 今のテレビアニメでは考えられない描写である。これを夕方の再放送で小・中学生の男の子たちは目にすることに。徐々に人気は上昇。

「この人気を受けて、旧ルパン終了から5年を経て新ルパンが作られるわけですが、こちらは完全に子供向けでした。当時、小学生だった私ですら『子供扱いしやがって』と思ったくらいでしたからね。だからこそ、『初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声』に応えるべく、不二子のヌードもありの映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』を製作したのでしょう。ただ、みんなが好きな不二子も、作品によってイメージが全く異なり、どの不二子が好きかということで意見が分かれます。そして声も、旧ルパンで担当されていた二階堂有希子さんか、パイロット版と新ルパン、そして映画で演じた増山江威子さんか……皆それぞれ理想の不二子がいるんですよね」(同)

 ある時はルパンの仲間。またある時は恋人。平気で裏切ることもある不二子とは何者なのか。

 旧ルパンのオープニングで、ルパン自身がこう語っている。

〈謎の女、峰不二子。女盗賊か女スパイか、この俺にもわからない謎の女。いつもヒドい目に遭うが、憎めないんだなぁ。俺は可愛い子ちゃんに弱いらねぇ〉

 こんな魅力的な女性を描いてくれたモンキー・パンチさんに合掌。

週刊新潮WEB取材班

2019年4月25日掲載

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