極秘出産の菊川怜 上野千鶴子の祝辞で話題の「東大女子」という生き方

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学歴と女子力の板挟み プライベートは言わぬが花と見抜いたさすがの知性

 ところで整形告白をする女性タレントが最近増えているが、芸能界で本当に必要なのは顔の「可愛さ」よりも「かわいげ」だと思う。冠番組を持つような大御所、特に男性タレントに可愛がられる「隙」や「かわいげ」を、自分で打ち出していくことが求められる。でもこればっかりはお金を払っても買うことができないし、勉強に励んで手に入れられるとも限らない。本当に不公平なシロモノだ。そして東大女子はとても不利である。芸能界に入れるだけの容姿の良さを持ちつつも、結局のところ一番の売りは「ずばぬけた頭の良さ」であり、主導権を握りたい男性タレントにとってはやりにくい印象を与えるからだ。

 小倉も例に違わず、菊川のMC就任当時、「頭がいい人だし、どうイジったらいいかわからなかった」と語っている。女性MCはあくまで俺のアシスタント、イジってなんぼということだ。その考え方を上野氏なら何と言うかはさておき、学歴も容姿も立派でイジれないなら、「女子力」をイジる。それが東大女子が差し出せる唯一の「ツッコミどころ」かつ「かわいげ」という判断。菊川は全国放送の帯番組のレギュラーの座と引き換えに、独身という属性をからかわれることを選んだのだと思う。結婚の際には「祝 脱・独身」というくす玉が出て、さすがに炎上したことを覚えている。「東大卒とはいえ、独身はほめられたもんじゃないよね」という気持ちと、「東大だけどこんなツッコミも許してくれる気さくな怜ちゃんなんです」というダブルの十字架を背負わせた結婚祝い。失礼だけど怒るわけにもいかないだろう。ホントに東大女子も大変だ。

 クイズや報道番組でどんなに優秀さを見せても「東大卒だし当然だね」と言われ、未婚や恋愛下手だと「東大卒なのに女子力はいまいちね」と評価を下される。学歴のインパクトを薄めるために女子力を貶められる理不尽さ。そして何をやっても「東大卒」の枠から逃れられない。だとすれば、自分のことを語るのも疲れてくるだろう。結婚相手の裁判状況や、妊娠に関してのコメントを控えていたのは、そういう悪循環から逃れたいという気持ちの表れではないか。「東大だけど、男を見る目はないわね」だったり、「東大だから、子どもも東大に入れたいんでしょ」とか、どうせ言われるだろうから。タレントとしての露出度より、自身の自尊心を守る選択をした結果だとしたら、それこそ東大女子ならではの頭の良い判断だと思う。

 これからは育児に時間を割くことになるだろうから、ますます菊川が芸能ニュースに出てくる頻度は減るだろう。もうそっとしておいてあげるのがいいと思う。あ、でもその前に小倉への根回しは忘れずに。今度は「子どもの名前の相談に乗ったのは俺」、みたいなことをまた得意げに言い出さないか心配だから。

(冨士海ネコ)

2019年4月19日掲載

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