娘を性的暴行の父に無罪判決、識者からも疑問の声「常識的な感覚を欠く」

国内 社会 週刊新潮 2019年4月18日号掲載

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 名古屋地方裁判所岡崎支部の裁判官・鵜飼祐充(うかいひろみつ)裁判長(59)が下した「無罪判決」が世間で物議を醸している。当時19歳だった被害女性が、被告人である実の父親によって性行為を強要された2年前の“事件”をめぐるこの裁判。判決文の内容に基づく詳細は別掲「娘を性のはけ口にした父がまさかの無罪! 判決文に見る「鬼畜の所業」」記事を参照頂きたいが、被害者は中学2年生から性的虐待を受け続けてきたという。

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「法律を杓子定規に解釈すると、おかしなことが起きるという典型です。性犯罪のみならず、人が犯罪者に直面し要求されれば、怖くて抵抗できないということは多々あります。例えば金を出せ、と脅されて被害者が応じたからといって、それを自主的に渡したというのは無理があるでしょう。それと同じで被害者の女の子も、普段からずっと家庭という逃げ出すことのできない場での暴力下に置かれていたわけで、目の前で起こる出来事に対して、拒む、拒まないという選択ができる状況にはなかった、と考えるのが普通でしょう」

 と言うのは、評論家の呉智英氏。そんな状況に置かれてもなお、親の圧力の下から逃げられると裁判官が考えたのなら、あまりに的外れな判決だと呉氏は続ける。

「この判決を受けて、バカな親が調子にのって子供に性暴力を加えないか心配です。この裁判官には、世の中の実態を見る眼がなかったのではないでしょうか」

 改めて無罪を勝ち取った父親の代理人を務める弁護士に訊いてみると、

「刑事裁判は、被告人が道義的にどうかという問題を議論する場ではなく、犯罪そのものが成立するかどうかを審議する場所です。世間、社会一般から見て被告人を罰するべきだという意見があるからといって、『そういう意見が大勢を占めているので、あなたを犯罪者として罰します』ということになれば、裁判も何もいらなくなってしまう。『疑わしきは被告人の利益とする』という大原則に基づいた判断を、裁判所はされたのだと思います」

“大原則”に基づくという意味では、鵜飼裁判長は過去に何度も無罪判決を出すことで、界隈では知られた存在だった。

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