「日刊スポーツ」がアダルト面を廃止した“大人の事情”

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 汗水たらして働くお父さん方にとって、一服の清涼剤となってきたスポーツ新聞の“アダルト面”。

 そんな至福のひと時が、また一つ失われることになった。今月1日から「日刊スポーツ」がアダルト面を一掃することとなったのだ。

 同紙の担当者は、

「2020年の東京オリンピック・パラリンピック、また同年から始まる小中高の教育改革に先駆け、親子で楽しめるグローバルなスポーツ新聞を目指して、廃止することになりました」

 と説明なさるのだが、業界関係者によれば、

「これまでニッカンは、アダルト面の掲載がない宅配版と、掲載がある駅売り版を分けて販売してきました。ところが、部数がピークの3分の1にまで落ち込んだ今、この“2版刷り”にかかる費用が大きな負担となっていたんでしょう」

 もっぱら懐事情が理由だったのである。

 もっとも、他にもワケはあって、

「スポーツ紙のアダルト面は大半がDVDの広告記事です。でも、最近はスマホでの動画配信の方が隆盛で、アダルトメーカーもスポーツ紙に喜んで協力してくれるワケではなかった」

 さらに、

「スマホ全盛のなか、あの面の読者は殆どが隠居したご老人たちでした。一方で若い世代があの面のせいで新聞を買いにくい状況も生まれていたんです」

 それでも、日々、工夫を凝らして紙面の充実を図ってきたのだが、

「世の中、そのものズバリの動画が溢れかえっていますからね。いくら淫靡な世界を文字で再現しても、ヘアも映せない新聞のアダルト面では物足りないってわけですか」

 スポーツ紙ならではの手軽なエロスもよかったのに。

週刊新潮 2019年4月11日号掲載

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