「しつけを法規制」の是非――“愛の鞭”か“暴力”か、綺麗ごとで済まない子育て

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戸塚校長は…

 続けて、よりストレートに体罰の必要性を説くのは、言わずと知れた戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏氏。

 戸塚氏は「体罰を禁止するような法律そのものが暴力的」と断じる。

「体罰を絶対悪として排除するのはあまりにも浅はかでバカな考え方ですよ。子どもには体罰を受けて進歩する権利がある。子どもが悪さをするのは大人をテストしているからです。どこまでやれば叱られるのか、とね。これを放置しては話にならない。怒鳴りつけて引っ叩くことで子どもは善悪の境界線に気づき、倫理観が芽生えるわけです」

 時に独自の教育法が物議を醸してきた戸塚氏だが、確かなのは、いまも彼のスクールに駆け込んでくる親が絶えないことだ。

「多くの親は自分が未熟であることを自覚して、せめて子どもだけでもしっかり育てたいと願ってやってきます。うちを訪れると、どんないじめっ子でも、スパルタ教育を受けたことでいじめに不快感を覚えるようになって、最後はきちんと挨拶のできる子に育つ。とりわけ、うちで教えているヨットやウィンドサーフィンは常に自然の恐怖や危険と隣り合わせ。命を守るためにも、間違った態度や行動には体罰をもって当たります。このようなしつけは本来、家庭でしっかりと行うべきだと思います。それなのに、体罰禁止などという綺麗ごとが家庭に押しつけられたら、意志の弱い子どもはいよいよダメになりますよ」

 戸塚氏ほどではないにしろ、しつけから体罰をシャットアウトすることに疑問を感じる向きも少なくあるまい。子を持つ親にしてみれば、子育てが「綺麗ごと」で済まないのは自明の理である。

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