文在寅の“ピンボケ政策”で苦しむ韓国経済、米韓関係も破綻で着々と近づく破滅の日

韓国・北朝鮮2019年4月5日掲載

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最大のリスクはトランプとのケンカ

 今、韓国の経済界が最も恐れる「文在寅リスク」は、米国との対立である。2月27、28日のハノイでの米朝首脳会談で「非核化せずに、制裁だけ緩和させよう」との北朝鮮の意図が露わになった。さらに韓国が北朝鮮の核武装を幇助しているとの認識も世界に広まった。

 米朝首脳会談が物別れに終わり、米国が制裁を維持しようとしているのに、北にドルを渡すための事業である開城工業団地と金剛山観光を再開すると言い出したからだ(詳しくはデイリー新潮掲載の拙稿「米国にケンカ売る文在寅、北朝鮮とは運命共同体で韓国が突き進む“地獄の一丁目”」参照)。

 韓国が裏切るたびに米国は「為替」で脅してきた。「通貨危機に陥りやすい」という韓国の弱点を突いてお灸を据える方法である(拙著『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。

 折しも、韓国の貿易黒字は急速に減っている。1997年、2008年、2011年の韓国の通貨危機はいずれも貿易収支が悪化したうえ、米国との関係が悪くなるなど外的な環境が厳しくなった時に起きている(デイリー新潮掲載「韓国、輸出急減で通貨危機の足音 日米に見放されたらジ・エンド?」)。

 まさに今、その「悪夢」が再現しかけている。4月11日、文在寅大統領はトランプ大統領とワシントンで会談する。この場で文在寅大統領が開城工業団地と金剛山観光の再開を言い出せば、米韓関係は破局に至る可能性がある。

 パニックに陥った市場参加者は、一斉に韓国からおカネを引き上げるかも知れない。3月に入ったころから、ウォンの対ドル相場は少しずつ弱含んでいるのだ。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95〜96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

週刊新潮WEB取材班

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