【コロンビア戦】新旧10番対決、中島翔哉の際立つ存在感、香川真司の時代は終わった

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中島に続くキーマンは柴崎

 中島が左サイドで攻撃の起点になり、中央の南野が絡みサイドへ展開して、堂安もしくは室屋がフィニッシュに顔を出す攻撃は、その後も続く。小気味よいカウンターにゴールの予感は漂い、森保一監督も「(得点が)ゼロで終わる試合ではなかった」と振り返ったが、相手GKのファインプレーでコロンビアのゴールをこじ開けることはできなかった。

 後半20分には1トップの鈴木武蔵に代わり香川が投入されると、南野を前線に、トップ下に香川を置く「ゼロトップ」にシフト。その香川も、劣勢を押し返した試合終盤は積極的に左サイドの中島にパスを送り、彼の良さを引き出そうとした。

 残念ながら後半10分過ぎより前半のハイペースがたたったのか、日本の攻撃はトーンダウン。「後半は日本のフラストレーションが溜まったところに、裏のスペースを狙って攻撃できた。前半は日本の攻撃を抑え、疲れてきた後半に攻めに出た」(ケイロス監督)狙い通りのプランでもあった。

 コロンビアの攻勢を押し返せなかったのは、クリアを正確に味方につなげず、セカンドボールを拾われからだ。ここらあたりが、今後は改善の必要がある。

 最後にもう1点、キャプテンを務めた柴崎の変化にも触れておきたい。これまでの柴崎は、どちらかというとパサーの印象が強かった。ロシアW杯決勝トーナメント1回戦のベルギー戦で、原口元気の先制点を演出したスルーパスに代表されるプレーである。

 しかしコロンビア戦では中島のドリブルをフォローするフリーランニングや、右サイドの深い位置まで攻め上がるなど、これまでとはひと味もふた味も違うプレーを披露して攻撃陣を牽引した。中島とともに最後までピッチに立ったことからも、彼も森保ジャパンではキーマンと考えていいだろう。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。「月刊サッカーダイジェスト」の記者を振り出しに、「週刊サッカーダイジェスト」(隔週刊期含む)など、サッカー誌各誌の編集長を歴任。2010年に退職し、フリーの記者としてW杯などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。現在は日刊ゲンダイ、週刊朝日、超WORLDサッカー!、365日FC東京など様々な媒体に寄稿。

週刊新潮WEB取材班

週刊新潮 2019年3月23日掲載

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