今年の巨人は何位?“1番当たる”と評判の野球評論家が、今季セ・リーグの順位を予想

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蘇る悪夢「95年の巨人」

 2019年のプロ野球は、セ・リーグもパ・リーグも3月29日の金曜に開幕を迎える。球春到来まで、ほぼ1週間というわけだ。

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 オープン戦も佳境。12球団の戦力が明らかになってきた。スポーツ紙や野球専門誌に順位予想が掲載される時期とも言える。そして野球解説者の小田幸平氏が、「予想が当たりまくる解説者」という異名を持っているのをご存知だろうか?

 小田氏の今期セ・リーグの順位予想と、昨季のセパ両リーグの順位予想と順位結果の比較を表にまとめてみた。一気に掲載するので、まずは隅々までご覧いただきたい。

 プロの解説者を含め、小田氏の予想が評価されたのは、何よりも昨季パ・リーグの優勝を西武と予想したことだ。大半の解説者がソフトバンクを本命に選んでいたのは、ご記憶の方も多いだろう。

 セパ両リーグで、それぞれ優勝を含む4チーム、計8チームの順位を的中させ、違っていたのはセではヤクルトと巨人、パでは日ハムとオリックスの順位が入れ替わっていただけで、ほぼパーフェクトと言える内容だった。

 また日本シリーズも、「週刊ポスト」(11月9日号)で「ホークスが4勝1敗で日本一。広島は甲斐拓也(26)の強肩に走塁を封じられる」と予想し、これも的中したと大きく取り上げられた(NEWSポストセブン「小田幸平氏が日本シリーズ予想『強肩捕手がカープ封じ込め』」10月30日)。

 そして今季セ・リーグの順位予想は、表にある通りだ。V4のかかる広島の1位は当然かもしれないし、続く2位のDeNAも17年にクライマックスシリーズ(CS)でペナントレース3位からの大下剋上を成し遂げたことは記憶に新しい。

 もちろん巨人ファンは、今年こそ優勝するのは間違いないと信じているに違いない。原辰徳監督(60)が復帰し、オフには完璧とも言える大補強を行った。これで勝てないはずがないだろう!――と。

 小田氏は巨人のOBでもある。それでも優勝はないと予測した理由について、「実はキャンプを視察した時点では、巨人はCSの進出も難しいと思っていました」と率直に言う。

「3位に順位を上げたのは、やはり丸佳浩くん(29)が絶好調だからです。彼は今季、間違いなく巨人の打線を引っ張り、なんとかCS進出に漕ぎ着けるのではないかと予想しました。誤解のないよう言い添えておきますが、私は巨人の戦力を12球団でトップだと考えています。それでもリーグ優勝できないと考えるのは、チームとしてバランスが取れていないと見るからです」

 小田氏が不安の具体例として挙げるのが、1995年の巨人だ。監督は長嶋茂雄氏。3番・松井秀喜、4番・落合博満、5番・ジャック・ハウエル、6番・広澤克実、7番・シェーン・マック――という4番打者が5人も並ぶという恐ろしい打線をご記憶のオールドファンも多いだろう。

 誰もが優勝すると思っていたが、なんと野村克也氏率いるヤクルトが2年ぶり4度目のリーグ優勝を果たし、日本シリーズではオリックスを倒して日本一に輝いた。結局、巨人は屈辱の3位でシーズンを終えた。

「いつも巨人が8対0で勝てば問題ないわけですが、そんな試合ばかり続くはずがありません。95年の巨人は、マックがバントを命じられて話題になりました。やはり野球は、1番から9番まで様々な選手が、それぞれの役割を担ってこそ勝てるのです。そして今季の巨人は、先発メンバーこそタレント揃いかもしれませんが、代打や代走、守備固めの要員を探すと、意外に選手層が貧弱なことに気づきます。0−0や1−0、2−1といった僅差のゲームに弱いチームのような気がしてなりません」

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