「宇多田ヒカル」「蒼井優」芸歴20年超なのに「新人賞」の違和感

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 蒼井優(33)は芸歴20年、宇多田ヒカル(36)も20年を超えるキャリアだが、新人賞なのだそうだ。

 今月6日、文化庁主催の2018年度「芸術選奨」受賞者が発表された。文部科学大臣賞には笑福亭鶴瓶ら19人が。そして新人賞には、演劇部門の蒼井、大衆芸能部門の宇多田の他、放送部門の脚本家・野木亜紀子氏(44)ら11人が選ばれた。

 各分野において〈新生面を開いた〉人物に贈られるという同新人賞。あまり“新人”らしからぬ顔触れに思えなくもないが……。

「いえ、対象は50歳未満の、新しい勢いを感じさせる人。賞の趣旨に則った相応しい方々が選ばれたと思います」

 とは、文化庁の賞事務局。

 が、芸能デスクはいう。

「昨年、ギリシャ悲劇、現代劇と二つの大舞台で存在感を見せた蒼井はともかく、宇多田は6月にアルバムを発売、ツアーも行いましたが、特に新機軸といったものは感じられなかったような。いくらキャリア、年齢枠が広いとはいえ、なぜ彼女が大衆芸能の新人賞なのか、正直、違和感がありますね」

 ちなみに昨年度の大衆芸能部門の新人賞は当時49歳の落語家・桃月庵白酒(とうげつあんはくしゅ)、一昨年度は漫才のナイツ、その前は落語家の柳家三三(さんざ)と、ずっと演芸畑が続いていた。

「文化庁としては、派手な名前が欲しかったんですよ」

 そう内情を明かしてくれるのは、賞のさる関係者だ。

「大衆芸能部門の審査員は、演芸の専門家が4名、歌舞伎、芸能史、音楽関係から1名ずつの7人構成。演芸関係が強くなりがちですが、どうしても地味な印象が否めません。大臣賞は30万円、新人賞は20万円と賞金はそう高くない中、文化庁お墨付きというだけで、ありがたがってもらえる賞です。京都への移転も決まり、文化庁はここらで注目を集め、自分たちの仕事をアピールしたいんですよ。そうした意向が審査員にも暗黙の了解となり、今回、知名度の高い宇多田さんに決まったというわけです。演劇部門の蒼井さんも然りでしょう」

 確かに注目は集まったが、本来の趣旨を忘れぬように。

週刊新潮 2019年3月21日号掲載

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