「アポ電強盗」急増のワケ 被害に遭わないためにすべきこと

国内 社会

  • ブックマーク

対策グッズの効果

「詐欺対策グッズ」は自治体が無料で貸与しているケースも多い。例えば、板橋区では防犯対策電話録音機「ST-386」を満70歳以上の高齢者を含む世帯に無料で貸し出している。既存の電話機に付属の電話線をつなげるだけで簡単に取り付けられるもので、電話を受けると、コール音が鳴る前に、かけてきた相手に「この電話の通話内容は防犯のため会話内容を自動録音いたします」とのアナウンスが流される。無論、実際に録音もされる。

「効果は大きいと聞いています。自動アナウンスが流れると、詐欺師は多くの場合、電話を切ってしまう。彼らは自分の声が録音されるのを嫌がるようです」

 板橋区の防災危機管理課の担当者はそう説明する。

「私どもが常に言っているのは、“詐欺師はプロだから、騙されてしまう前提でいて下さい”ということ。例えば、詐欺師が最初は、特殊詐欺だと分かるような電話をかけてきて、受けた方は“撃退した”と得意になる。しかし、その後、別の人物が“警察ですが、さきほど変な電話がありませんでしたか”と電話してきて、流れの中でついついお金のあるなしを喋ってしまったりするのです」

 一般社団法人・日本防犯学校学長の梅本正行氏は、

「中には国勢調査を騙って電話してくる場合もある。それで家族構成だけではなく、“老後のためにお金を貯めていますか?”と聞いてくるわけです。そうした電話に出ないためには、ちゃんとした防犯電話機に頼るのが一番です」

 と話す。先に紹介した「ST-386」の製造元の担当者によると、

「お客さまからは、電話が鳴る回数が大幅に減ったという反応を頂くことが多い。つまり、それだけ世の中には詐欺などの怪しい電話が多いということです」

「ST-386」は小売店ではほとんど取扱いがないが、大手ネットショップでは売られている。オープン価格のため、8640円や1万5300円など、値段に幅がある。

「大手メーカーの電話機には、防犯対策電話録音機と同様の機能が付いているものも多い。警察や自治体が作成した『迷惑電話番号リスト』を定期的にダウンロードし、そこに登録されている番号を着信拒否にする機能が付いた電話もあります」(家電量販店の店員)

 自分だけは大丈夫――。そうタカをくくっている人ほど要注意である。金だけではなく命に関わる事柄なのだから、迷わず対策を講じるべきだろう。

週刊新潮 2019年3月14日号掲載

特集「命まで取られる 『アポ電強盗』の撃退術」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]