24時間営業をやめた「セブン-イレブン」オーナーが語った意外な“成果”

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「それくらいの便利さで」

 それにしても、コンビニを巡って不便な話だらけだが、そもそもコンビニの深夜営業とはなんなのか。

「24時間営業は、70年代の半ばに始まりました。『オールナイトニッポン』や『オールナイトフジ』といった深夜番組が流行り、若者が深夜の歓楽街にたむろするようになったのを受け、広がっていったものです」

 と、流通アナリストの渡辺広明氏。24時間営業のコンビニは全国に5万数千店あるそうだが、遡れば、大義名分などないらしい。評論家の大宅映子さんは、

「コンビニ業界の人たちは、“コンビニは社会のインフラ”“みんなの役に立っている”と思いたいみたいだけど、深夜のコンビニを利用する人がそんなに多いんですか。その人たちのために、無理をする必要はないんじゃないですか」

 と言って、続ける。

「深夜にワンオペで働いているのを見ると、怖いだろうなと思う。全部自動の無人店舗ができるならいいけど、そもそも24時間、人が起きている状況自体が異常なこと。何時間か我慢したらいいと思います。昔はテレビですら、23時以降は番組を放送しなかったし、セブン-イレブンも最初は店名の通り、7時から11時までの営業で、それでもずいぶん便利だと感じたものです。それくらいの便利さでいいんじゃないですか」

 深夜は寝静まっていたころには起きなかった紛争であるのは、間違いない。

週刊新潮 2019年3月14日号掲載

特集「24時間営業で不便が生じた『コンビニ』紛争の明日」より

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