間違いだらけの「がん検診」 40歳からの「肺」「大腸」「胃」正しい受け方を検証

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10年間は検診不要!?

 続いて「大腸がん」。年間の死亡者数は約5万人と、部位別では胃がんを抜いて2位である。

「1回の便潜血検査で進行がんを指摘できる可能性は30~56%、2回では80%を超えます。通常は偽陰性にならないよう2回採取します。大腸がんはポリープががん化するケースが多いので、その有無が重要となりますが、便検査で見つかる可能性は十数%でしかなく、やはり内視鏡検査が有効です。便検査を経ずに受診する場合、保険は適用されませんが、それでも40歳を過ぎたら一度は受けたほうがよいでしょう」(同)

 ポリープが成長してがんになるには数年かかるため、

「米国では大腸内視鏡検査でポリープが見つからなかった場合、10年間は検診不要だと患者に告げているといいます。目安として、80歳以上でポリープのない人は、あまり検診にこだわらなくてもいいと思います。内視鏡以外では、普及はこれからですが『CTコロノグラフィー』という方法があります。下剤を飲んで大腸を空にし、CTを撮って3D画像でポリープを調べます。大腸カメラでは腸の襞(ひだ)の裏が死角となって見落とすケースがありますが、これは360度見えるので発見の確度が上がります」(同)

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