「がん検診」がむしろリスクに? 年齢上限がないのは日本とドイツだけだった

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「覚悟がある人だけ」

 さらに、2月の日本疫学会でも以下の研究結果が報告されたという。

「100万人分をコンピュータプログラム上でシミュレーションし、どの時点で検診の受診をやめたらどれくらい余命が延びるかを割り出しました。その結果、80歳でやめても、続けた人とは2、3日しか寿命が変わらないと判りました。高齢者は腸の壁が薄くなり、5歳の差で偶発症発生率は3~4割も違ってくるのです」

 その上で、こう説くのだ。

「傾向として、80歳を超えると検診のメリットはさほど増しません。一方で予想しない事故などのリスクはうなぎ上りです。その覚悟がある人だけが、検診を受けてください」

 百寿者が珍しくない時代にあって、いつまでも健康を保ちたいと願うのは自然であろう。とはいえ、闇雲に検査にすがれば、却って寿命を縮めることになるというのだ。

 次項以降では、こうした警鐘をふまえつつ、部位ごとに望ましい検診の受け方を検証していこう。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年3月7日号掲載

特集「年齢・部位別に検証! 間違いだらけの『がん検診』」より

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