福島のご当地ヒーロー「ダルライザー」が映画化 “主演俳優”が語る撮影秘話

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2本目の夢もあるけど

――17年に完成した「ライズ ダルライザー THE MOVIE」は、地元白河市の銀行のホールで公開された。白河市には映画館がなかったのだ。

和知:23日間スクリーンにかけて、3382人の方に見てもらいました。ならばと、地元のフィリピンパブを改造して映画館を造って毎日上映したりもしました。それが県内に広まり、東京にも……。

――実は昨年2月、1週間だけ池袋シネマ・ロサのレイトショーで公開された。すると、ネットでは「ご当地ヒーローなんて正直ナメてたが、めちゃ感動した!」「地方発とは思えないクオリティ! アメコミ映画みたい」「とにかく情熱と熱量が凄い! ダルライザーは現実世界のヒーロー」など、多くの反響が寄せられた。

和知:悪役(ダイスNo.1)の人、カッコいいけど、あんな役者さんいるんですね、なんて言われたり。実は、白河の旅館の若旦那なんですけどね。撮影が夜中の3時まで長引いた時には、帰ってそのまま旅客の朝食作りをしたそうです。

――タイ国際映画祭に出品すると、プロダクション・デザイン賞を受賞。さらに全国規模で公開したいと、資金をクラウドファンディングで公募した。

和知:350万円を目標にしていたのですが、最終的に560万円が集まりました。白河のみならず、全国から応募していただきました。

――もっとも、劇場公開となるとさらなる壁が……。

和知:やはり2時間という枠があるんです。最初の「ライズ ダルライザー THE MOVIE」は147分もあったんです。それを120分を切るまでに編集して、「ライズ ダルライザー ―NEW EDITION―」にするのに、更に半年かかりました。おかげで、構成も大きく変わって良くなったと思います。

――ようやく公開にこぎ着けた新「ライズ ダルライザー」。和知氏はいまこの映画にかかりきりだという。

和知:はい、仕事も辞めて独立しましたからね。いまもヒーローショーも続けています。今年のお正月には東京のデパートの福島物産展にもダルライザーは参加したんですよ。映画では「ダルライザー2」という夢もありますけど、1作目で銀行に借金もしているので、なんとかしないと……。

――映画同様、奥さんに「ちゃんと働いて!」と言われないためにも、是非とも頑張ってもらいたい。「ライズ ダルライザー ―NEW EDITION―」は現在、池袋を皮切りに、吉祥寺、横浜、長野、名古屋、京都、大阪、広島での順次公開が決まっている。

週刊新潮WEB取材班

2019年3月9日掲載

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