過去3年で480人退職! 「大塚家具」資金調達成功で“トラック野郎”が増える?

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トラック40台購入予定

「どうでしょう、17年の業績を思い出してください。久美子社長はたった1年で72億円もの赤字を叩き出した人ですよ。それに74億円とは言っても、第三者割当増資の38億円に関しては、一部を担うアメリカの投資ファンドは払込期間の初日である3月4日に払い込むことになっている一方、中国側は速やかに払い込むとしていて、タイムラグがある。さらに、もう一方の新株予約権については予約権の行使価額が460円となっています。大塚家具の株価は、今日(3月1日)は高値でも394円です。これを460円で買う人がいますか? もちろん460円を超えるようになれば、喜んで買うでしょう。しかし今回の決算では、大塚家具は業績予想もできていない状態。このままだと74億円というのは、獲らぬ狸の皮算用になりかねません」(同)

 その皮算用にも疑問があるという。

「今回発表された、『業務・資本提携のお知らせ』にある“調達する資金の具体的な使途”です。74億円のうち、17億5000万円をECビジネス強化に充てるというが、現在の横浜サービスセンターを新倉庫に移し、自動化・省力化を行うため、自動化に8億円、現倉庫の回復費に4億5000万円、移転費用に1億円。そして配送トラック40台の購入費に2億5000万円を充てるとしています。売上高が落ちっぱなしの企業が、供給を強化してどうするのでしょうか。さらに、このトラックの運転手は社内の配置転換で確保するとまである。これまで家具の販売員だった社員に、『あなた、明日から運送ね』と言って出来るものでしょうか」(同)

 その社員も減り続けているのだ。表を見てもらえば明らかだが、久美子社長が就任した15年はたった5人がやめただけだった。業績が落ち始めた16年には82人、17年は173人、18年は225人、わずか3年で480人が会社を去っているのだ。

「先代の勝久社長はリストラしない人でした。一方、久美子社長はリストラすることもなくこれだけ減らしたわけです。そして現在の1200人の社員の中から、配送トラック40台分の要員として少なくとも80人は回され、“トラック野郎”になるわけです。運転するだけでも大変でしょうし、重い家具を運ぶとなれば腰も痛めかねません。体を壊したら、転職活動もできませんからね。社員は気の毒ですよ」(同)

 提案されたという親子の和解に関してどうだろうか。

「出資者に言われたから聞いているだけでしょう。勝久氏が創業した大塚家具をここまでボロボロにしてしまったのですから、和解するには彼女が非を認めなければ始まりません。そんなこと、彼女がするわけないじゃないですか」(同)

週刊新潮WEB取材班

2019年3月5日掲載

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