3年連続赤字「AbemaTV」の帯番組が“消滅”? ネットテレビはいまだ暗中模索

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「新しいマスメディアを作る」との掛け声のもと、サイバーエージェントとテレビ朝日がネットテレビ局「AbemaTV」が開局したのは2016年4月のことだった。サイバーエージェントの藤田晋社長の肝煎りとされるこの事業については、長らく不振が伝えられてきた。そして3年が経とうという今、とうとう開局当初からの帯番組が減ってしまうというのだ。

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「72時間ホンネテレビ」で元SMAP3人が登場したり、テレ朝の小川彩佳アナが「報道ステーション」から“移籍”したりなど、配信するコンテンツが注目されていないワケではない。にもかかわらず、AbemaTVは開局以来“先行投資”のターンが続き、3年連続の赤字を計上している。

「テレビが見たければテレビを観るし、ネットならSNSやYouTubeなど“暇つぶし”のライバルが多い。結局、ネットでAbemaTVを見るという習慣がなかなか根付いてくれないんでしょう。コストの面でも指摘がありますね」(芸能記者)

 2年ほど前に藤田社長が明かしたところでは、サーバー代だけで月数千万円。これで“全体コストに対する比率は3%程度”とのことだったから、いかに金喰い虫かがうかがえるといえる。

 とはいえ、「東洋経済」(19年2月9日号)のインタビューに登場した藤田社長は、「1千億円くらい赤字を出すことを想定しています」「(平均視聴者数)700万人も見ているなら、高収益の事業にすることはできる」とあくまで強気だった。その一方、サイバーエージェントの18年9~12月期の通年利益予想を300億円から200億円に下方修正した際には、ブログを更新し、

〈先行投資中のAbemaTVだけでなく、広告事業もゲーム事業も、さらなる成長の好機とみて、新規事業を立ち上げ、どんどん人を採用し、広告費を増やしと先行投資を膨らませていました〉(1月30日付投稿)

 と真っ先に「AbemaTV」の名を挙げているのだ。

 だが、社長の熱意とは裏腹に、現場からはこんな嘆息が聞こえてくる。

「16年4月の開局翌日から放送している『The NIGHT』という番組があります。これは月曜から土曜の深夜帯に配信される帯番組なのですが、近々、帯じゃなくなるんです。当初局内で流れたのは“土曜日の放送が消滅する”という噂でした」(AbemaTV関係者)

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