トヨタの定額新商売 月19万円「レクサス」は損か得か

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 家に新車がやって来た時の喜びは、いつでも格別なものがある。が、これからは所有しないで新車に乗る時代がやってくるのだろうか。

 トヨタ自動車が3月1日から、“愛車の定額サービス「KINTO ONE」”を始める(正確には、同社の子会社など3社が設立した孫会社によるサービス)。名前の由来は「筋斗雲」。

 それによると、プリウスなど5車種の新車のうち1台が、3年契約で月額約5万円弱~10万円台で乗ることができる。また、2月6日からスタートしている「KINTO SELECT」というサービスでは、レクサスが月額19万4400円(税込)だ。6カ月ごとに6タイプまで乗り換えられる。

「料金には登録時の諸費用から税金、保険、メンテナンス代などが含まれます。ガソリン代だけ払えば良いと考えてください。また、レンタルではないので“わナンバー”ではありません」(トヨタ自動車広報部)

 この「KINTO」、いま流行りの「サブスクリプションサービス」というのだが、平たくいえばリースをイメージすればいい。

 そこで、専門家に聞くと、

「たとえば、都心に住んでいる人が自動車を所有すると、税金や諸費用で月5万円ぐらいかかるケースもあります。それから比べると、利用したい人がいるのではないでしょうか。月額のリースなら経費で落とすことができるので、税金対策としても使えます」(自動車評論家の渡辺敏史氏)

 気になるのは、レクサスの「月額19万円」である。モータージャーナリストの清水草一氏によると、

「レクサスのモデルにもよりますが、3年契約だと総計で高級外車をローンで買うぐらいの出費になります。車が自分のものにならないことを考えると、お得といえるかどうか」

 気軽に払える値段じゃないことだけは間違いない。

週刊新潮 2019年2月21日号掲載

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