“徴用工”で巨額賠償を請求なのに… それでも日系企業が大人気という韓国就職最前線

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それでも日系企業が大人気という韓国就職最前線(1/2)

 韓国では「百薬無効」と呼ぶそうだ。もはや打つ手なしという意味で、まさに彼の国の現状を言い当てている。横紙破りに前言撤回、果ては友好国にロックオンする始末。だが、両国の関係が冷え込む一方で、韓国の若者たちはなぜか日系企業に熱い視線を送っていた。

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 昨年11月7日、会場となったホテルのロビーは、リクルートスーツに身を包んだ学生たちで溢れかえっていた。特設の展示場には日産や楽天、ハウステンボスといった有名企業112社のブースが所せましと立ち並び、緊張した面持ちの若者たちが鈴なりに――。

 実はこれ、幕張メッセや京セラドームではなく、韓国・ソウル市のロッテホテルワールドで開催された「2018日本就職博覧会」の模様である。韓国の学生を対象とした日本の企業による合同説明会で、6千件を超える事前申し込みのうち書類選考に受かった約2千が参加したという。このイベントを取材した大手メディアの特派員によれば、

「会場には韓国全土から就職を希望する学生が集まりました。彼らは一様に真剣な表情で私語は皆無。なかには、教授が数十人の学生を貸し切りバスで引率した大学もあった。この大学では“日本就職サークル”を立ち上げ、日本の企業から内定をもらった学生には50万ウォン(約5万円)の奨励金を渡しているとか。卒業生が日本の企業に就職したという実績が大学のPRに繋がるわけです」

 会場には学生だけでなく「就職浪人」の姿も目立った。昨春、ソウルの私大を卒業した男性は、日本語だけでなく英語や中国語も堪能。環境工学を専攻し、IT関連の資格を持つハイスペックな人材だが、韓国企業には採用されなかった。

「彼は“今日の面接官はみな親切で、韓国企業のような圧迫面接はなかった。ぜひ日本で就職したい”と意気込んでいました」(同)

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