「高知商」ダンスで甲子園落選、川淵三郎があらためて語る“高野連は頭が固い”

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柔軟な発想で

 長年にわたって高校野球を取材するノンフィクション作家の門田隆将氏も、こう語る。

「あきらかに、商業目的ではなく友情に基づいた行為ですよね。お礼の意味の行為を商業目的だと問題化する高野連の感覚は、いったいどうなっているのでしょう。襟を正せと言いたい」

 その高校球児で利益を上げているのが高野連だという。たとえば、100回記念大会だった昨夏の甲子園。

「記念大会を機に、ついに外野席も有料にしました。総入場者数は史上最多の101万5千人で、収入は7億8千万円ほど。支出を引いても、2億3千万円ほどの剰余金が生まれています」

 プロならば球団にも選手にも還元されるが、

「そういうことは、高校野球ではありません。つまり、高校球児による無償の一生懸命なプレーをもとにして、高野連は商売をしているわけです。にもかかわらず、5日間で4試合といったような、選手生命を脅かす日程の改革もしないのです」

 そんな組織に向けて、最後に川淵氏から一言。

「スポーツは楽しむためにあるのに、高野連の野球は苦しむためにある。そんなイメージからの脱却を考えないといけません。いまの時代にマッチした柔軟な発想でやってほしい」

 昨年の秋季高知大会を制した高知商のセンバツ落選に、この件の影響を挙げる向きは多い。高知商へ下される処分の内容次第では、“チェアマン”による改革を、との声も出るのでは?

週刊新潮 2019年2月7日号掲載

ワイド特集「縁は異なもの味なもの」より

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