問題提起の作家が語る「大坂なおみ」アニメ問題 “人種差別の問題だとは思っていない”

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 YouTubeで公開したカップヌードルのPRアニメが、大坂なおみ選手(21)を“白く”描いたと批判され、日清食品ホールディングスは動画を削除するに至った。“白人化(ホワイトウォッシュ)”は、有色人種に対する白人優位の発想で行われる人種差別的演出と見做されるが、さてアニメに怒った人々からは、どんな声が上がるか。

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「YouTubeで問題の映像を見た時、簡単に言えば失望を感じました。それは、なおみのCMを見ようと思ったにもかかわらず、映っていたのがなおみとは似ても似つかないキャラクターだったからです。なぜ肌の色を変えなければならなかったのか理解出来なかったので、ジャパンタイムズで疑問を呈したところ、ニューヨーク・タイムズに取り上げられ、騒ぎになりました。私はこの問題に二つの側面があると考えています」

 と話すのは、横浜在住の作家でコラムニストのベイ・マクニール氏。

 一昨年末、ダウンタウンの浜田雅功が俳優のエディ・マーフィに扮する形で、顔を黒塗りして登場した番組について、問題点を指摘した人物でもある。

「その1は、日清となおみ側のコミュニケーション不足です。ニューヨーク・タイムズがこの問題について報じ、日本のマスコミが取り上げた時、日清は“なおみの了承を得ていた”という主旨の説明をしていますが、これは完全に正確とは言えません。日清は確かにIMG(大坂選手のマネジメント会社)ジャパンの了承を得ていたようですが、なおみと直接やり取りをしているのは彼らではなく、ニューヨークのIMG本部なので、なおみは当初CMを見ていなかったそうです」

 大坂を応援するはずの動画が“雑音”に発展。準決勝後の記者会見で彼女はそのことを聞かれ、こう踏み込んだ。

「日清の人たちと話し合いました。彼らは謝っていました。私は褐色です。それはとても明らかなことです。(ただ、)私は彼らがホワイトウォッシュを狙ってやったとは考えていません。でも次に、彼らが私のことをモデルに描く時には、(事前に)私に話すべきだって絶対にそう思っています」

 definitely(絶対に)という単語を使っており、事前チェックはできていなかったと強調したのだ。

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