「文在寅」と韓国国民を分断せよ――元駐韓大使が説く“反日政権”との付き合い方

韓国・北朝鮮週刊新潮 2019年1月31日号掲載

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無体な要求は断固拒否

 このような政権と、日本はいかに接するべきか。“韓国なんか勝手にしろ”“報復すべき”との世論が日本でも高まっている。しかし日韓関係に関しては、短期的な視点ではなく長期的な視点で考えなくてはならない。

 まず、重要なのは文政権と韓国国民とを分断させることである。文政権の無体な要求は断固拒否する。それにより日韓関係が短期的に一層悪くなってもやむを得ない。これまで韓国は、世論を背後に強く出れば日本は降りてくると考えてきたし、実際に日本は一歩ずつ譲歩を重ねた。その場合にも、韓国国民が文政権と同調しないようにすることが肝要である。

 具体的には、徴用工について日韓で財団をつくるような話は断る。そして、韓国が日本企業の資産差押え等の暴挙に出れば、国際司法裁判所への提訴や、何らかの報復措置を実施する。ただ、韓国国民を敵に回すような施策は避ける。そこで一番有効なのは、文政権の北朝鮮への融和策が国連制裁破りと結びついていると国際社会に訴えることかもしれない。

 他方、文化交流や人的交流について韓国の人々は極めて前向きに考えている。大統領が代われば外交関係も変わる。真剣に韓国の国益を考える大統領であれば、日本との関係を見直すはずで、関係は急速に改善する。今、韓国に対する全面的な報復措置は日本の国益に対してもマイナスに働く。

 結論として、文政権に対しては毅然と対応しつつ、日韓関係は粛々と進めていくのが最善の道であろう。

武藤正敏(むとう・まさとし)
元外交官。1948年、東京都出身。横浜国大卒。外務省に入り、駐ホノルル総領事、駐クウェート大使などを歴任。2010年に駐韓大使となり、12年退官した。著書に『韓国人に生まれなくてよかった』など。

特別読物「元駐韓大使がひもとく『韓国』反日の裏面史」より

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